幹細胞コスメ、化粧品の可能性を広げ新市場を形成

週刊粧業 2019年11月4日号 1ページ

幹細胞コスメ、化粧品の可能性を広げ新市場を形成
 近年の「シワ改善クリーム」のヒットに、化粧品の本質的なニーズが「健康的で若々しい肌を保つ」ことだと再認識した企業も多いのではないか。

 そのニーズに応えるアンチエイジング化粧品市場は右肩上がりで伸長を続けており、スキンケア市場で約4割を占める。そのアンチエイジング市場では肌の細胞を活性化するという新しい概念を持った「幹細胞コスメ」にも注目が集まる。

 再生医療分野から派生した領域であるが、化粧品業界における「幹細胞研究」は、セティが取り扱う「ステムCガード」(仏、シラブ社)のような、皮膚幹細胞に働きかける天然植物由来ペプチド成分の研究開発が進む。

 その一方で、再生医療・幹細胞研究の領域から生まれた新規化粧品原料「ヒト幹細胞培養液」を配合した化粧品が新たな市場を形成しはじめている。

再生医療から派生した新領域
信頼性基盤の構築で市場成長へ

 「ヒト幹細胞培養液」は、再生医療の現場でヒトの体の組織から採取して使う幹細胞を培養した際に出る分泌液(培養液)を化粧品原料として使用したものを指す。

 ヒト組織由来の幹細胞培養液には、細胞を活性化させる様々な生理活性物質や成長因子が確認されており、細胞増殖やターンオーバーの正常化など肌に対して様々な効果が期待できる成分として注目を集めている。

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