PALTAC 糟谷誠一社長、生産性の向上を徹底追求

週刊粧業 2020年1月1日号 8ページ

PALTAC 糟谷誠一社長、生産性の向上を徹底追求
 PALTAC(糟谷誠一社長)は労働力不足による人件費、物流費の高騰への対応で、生産性の向上を追求し続けている。19年11月にAI、ロボットの最先端技術を活用したRDC埼玉(埼玉県北葛飾郡)を稼働させた。

 ここで出荷高1200億円を計画しているが、バラピッキングの人員を従来型センターの半分以下に抑制する。既存のセンターも作業効率の改善を継続する。一方、将来の事業拡大に備え、栃木・近畿地区にセンター用地を確保している。

 現状の経営課題、サプライチェーン全体の効率化の取り組みについて、糟谷社長にインタビューした。

 ――19年度上期の業績を踏まえて、直近の課題について、お聞かせください。

 糟谷 天候不順、台風・大雨による災害、さらにインバウンド消費の減少と想定外のことが続き、マイナスの影響が大きかったと感じています。中国のソーシャルバイヤーの規制は事前に分かっていたことですが、想定以上にマイナスのインパクトが強かった。

 4月から7月にかけては、季節商材も振るわず、特に厳しい状態が続きました。8月以降は、気候が回復したことや消費税増税の駆け込み需要で、ひと息つくことができた状況です。駆け込み需要の反動をどうカバーするのか、われわれを含めて流通業全体が、努力しているところです。

 インバウンド消費の減少は四半期ベースで20億円、年間80~100億円を見込んでいました。消費税増税も事前に分かっていたことなので、前後の対応の準備を進めてきました。

 さらに2018年度ころから物流費、人件費が高騰しており、19年度もこの流れは変わらないことを想定し、懸命に生産性の向上に取り組み、上期は何とか販管費比率を低減することができました。

 19年度については、今までにない230億円のRDC埼玉の大型投資があるので、増収減益の予算を組んでいます。今後、どれだけ効果を出していくかということが課題になります。

 出荷額1200億円の規模で従来のセンターだと800人のパートタイマーが必要ですが、AI、ロボットで生産性を向上し、400人弱で対応することができます。19年11月20日にスタートし、20年1月末までに移管を完了する予定です。

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