SHIBUYA109 lab.、若者のSDGsに対する意識について調査

訪販ジャーナル 2020年8月31日号 6ページ

SHIBUYA109 lab.、若者のSDGsに対する意識について調査
 若者マーケティング研究機関「SHIBUYA109 lab.」は、around20(20歳前後)男女800人(男性:400人、女性:400人)を対象に、「若者のSDGsに対する意識」について調査を行った。



 まず、SDGsの認知状況について尋ねたところ、約6割のaround20がこのキーワードを認知しており、「名称のみ知っている」と回答した人が21.0%、「名称と特徴程度を知っている」と回答した人は23.9%となった。



​ SDGs17の目標から、日本がより力を入れて取り組むべき課題であると思うものを尋ねてみたところ、最も多い回答は「5.ジェンダー平等を実現しよう」(33.6%)、次いで「1.貧困をなくそう」(30.8%)、「3.すべての人に健康と福祉を」(30.4%)という結果になった。

 グループインタビューで尋ねたところ、自分自身や身近な人との関わりがある課題や、学校の授業で取り扱われる課題について問題意識が高い傾向にあった。「ジェンダー平等」については、特に「LGBTQ+」「ジェンダーの不平等や差別」に対して身近かつ解決したいと感じているaround20が多くみられた。

 実際に「身近な友達にもLGBTQ+の子がいて、批判をする人に対して疑問を感じる」「TikTokなどでもLGBTQ+であることを公言し、自分が受ける差別に対する意見などを発信する子をよく見るようになった」「LGBTQ+に対する差別について友達と話すことがある」という声が上がった。

 また「ジェンダーの不平等や差別」について、「自分が着たい洋服・メークをしていたりすると、男の子ウケにはこっちの方が良いよ、と言われ疑問に感じた」「WEBメディアなどでも『男の子は黒髪の方が好きだ』など書かれていたりすることもあり、自分自身ではなく性別で判断されることを窮屈に感じる」等の自らがジェンダーの不平等を感じるシーンを体験することがわかった。



 社会的課題解決に対する興味関心度を聴取したところ、「関心がある」と回答したのは59.5%と半数以上のaround20が、関心があることがわかった。また、現在の社会的課題解決に対しての取り組み状況については、「関心はあるが、特に具体的に取り組んでいることはない」が36.8%と最も多く、次に「具体的に取り組んでいることはないが、情報収集をしている」(26.4%)という結果になり、社会的課題解決に対して関心はあるものの、具体的なアクションを起こしているaround20は少ないことがわかる。

 社会的課題に関して知るきっかけについて尋ねたところ、最も多いのは「学校の授業」(43.1%)、次いで「テレビCM」(22.0%)、「ドラマ・TV番組」(21.4%)という結果になった。また直近の社会的課題への接点について尋ねたところ、SNSからの接触も増えていることがわかった。例えば、米国での黒人差別への抗議活動や、「動物愛護法の各種数値規制改正案」 が挙げられ、それぞれインフルエンサーや友人のSNS投稿で見かけたことが、知るきっかけになったという声も多く聞かれている。SNSを通じてaround20の社会的課題に接触する頻度がこれまでよりも格段に上がり、意識も高まっていることが考えられる。

 またaround20にとって、社会的課題解決の取り組みについてどんなきっかけがあればより取り組めるか尋ねてみたところ、最も多い回答は「お金の節約になる」(42.0%)、次いで「社会的課題について知る機会が身近に増える」(32.5%)、「自分が関わった事柄の成果が見える」(26.0%)という結果になった。

 実際にグループインタビューでは、「レジ袋有料化のタイミングで、節約にもなるのでエコバックを購入した」という回答もあり、エコバックやタンブラーを持つなど、環境にもよく節約にもつながる行為は比較的浸透しやすいことが考えられる。SDGs・社会的課題について、情報の接触頻度と興味関心は強まっているものの、身近に感じられるシーンが少ない項目については自分ごとになっていないのが現状だ。

 企業のSDGsの取り組みについては56.4%が「好感を持てる」と回答しており、社会的課題の解決については、「個人や企業が協力し解決すべきだと思う」という回答が43.8%と最も多く、企業と個人が連携していくことに対して意欲的であることがわかる。

 しかし、グループインタビューでは実際に企業の取り組みについて知る機会がなく、「就活における企業研究のタイミングで企業のSDGsに対する取り組みを見ることはあるが、それまで考えたことがない」という回答が寄せられた。実際に企業のSDGs文脈の取り組みであっても、自分に身近でないブランドの取り組みについては理解を深めるための行動が省かれるため、気付いていないケースが多い傾向にある。
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