ホシケミカルズ、UVダメージ回復作用を持つロングセラー原料を提案

C&T 2021年3月15日号 46ページ

カンタンに言うと

  • 新原料「ニチレイ・アセロラエキスWB-E」の拡販に注力
ホシケミカルズ、UVダメージ回復作用を持つロングセラー原料を提案
 化粧品原料商社として1975年に創業し、化粧品OEMや容器製造なども手がけるホシケミカルズでは、美白・サンケア原料のカテゴリーにおいて、レモンの約34倍のビタミンCを含有するアセロラをベースとした化粧品・医薬部外品製造専用原料「ニチレイ・アセロラエキスWB-R」(製造元=ニチレイバイオサイエンス)が、今なおロングセラーを続けている。

 ニチレイグループでは、1984年にアセロラを使った商品を発売以来、それぞれの商品に合った果実の品種改良や生産性を高める育種技術など、様々な研究を推進している。

 ニチレイバイオサイエンスでは、化粧品・医薬部外品の製造専用原料として2000年にアセロラエキスを、2004年にアセロラ種子エキスをそれぞれ発売し、化粧品分野への原料製品の供給を行ってきた。

 ニチレイ・アセロラエキスWB-Rは、沖縄産の完熟アセロラ果実から精製水にて抽出し、1,3-ブチレングリコールを添加(終濃度30%)したもので、アセロラ果実本来のフルーティーな香りが特長だ。有効性については、UVダメージ防御・回復や抗糖化、Ⅳ型コラーゲン産生促進、DPPHラジカル消去などのエビデンスデータを持つ。

 コラーゲンなど真皮を構成する成分を作り出す線維芽細胞は、紫外線(UVB)にさらされると、ダメージを受け増殖が抑制される。



 正常ヒト皮膚線維芽細胞を用いたニチレイ・アセロラエキスWB-Rによる紫外線ダメージに対する抑制作用および回復作用の試験では、濃度依存的に細胞が受ける紫外線ダメージを抑制し、0.5%の添加濃度からでも受けたダメージを回復させる作用を示した(図)

 「高い安全性を誇るメイドインジャパンの化粧品は国内外問わず評価され、それを支える日本の化粧品原料へのニーズも高い。海外ではここ数年、日本国内の中でもさらに産地を限定した産地特定原料を求める機運が高まっている。観光地として人気の沖縄県で栽培されたという付加価値もあり、ニチレイ・アセロラエキスWB-Rがここへきて改めて脚光を浴びている。原料だけにとどまらず、ニチレイ・アセロラエキスWB-Rを配合したOEM製品へのニーズも高く、中国をはじめ台湾や韓国、シンガポール、マレーシア、ベトナムなどほぼアジア全域で輸出実績がある」(伊東大輔営業推進部原料営業グループ係長)

 昨年8月には、化粧品分野において SDGsやグリーンケミカルに関連した商品へのニーズが高まっていることから、オーガニック認証を受けたブラジルの農場で栽培されたアセロラの果実をグループ会社より調達し、抽出剤及び保湿基剤に植物由来の 1,3-ブチレングリコールを用いて製造されたオーガニックグレードの「ニチレイ・アセロラエキスWB-E」(同)を発売した。



 ニチレイ・アセロラエキスWB-Eは、自然物のみで作った堆肥を使用し、バナナの葉を使用した雑草対策や、他農場からの農薬飛散を防ぐための植林などを行い、厳格に管理された農場で栽培されたアセロラを使用しており、従来のアセロラ原料に比べて生産量が極めて少なく、希少性が高いという。

 有効性については、チロシナーゼの活性を阻害するほか、メラニン色素の生成抑制などの作用を持つ(図)

 「ニチレイ・アセロラエキスWB-Eは植物由来BGを使用しており、クリーンビューティのトレンドに合致するオーガニック原料として今後の拡販に注力していく。原料商社でありOEMメーカーでもある当社としては今後、こうした他社にない強みの部分をさらに高めていき、国内外の原料メーカーや代理店から得た最新原料の情報をしっかりと社内で共有し、それをお客様に有益な情報や実際の処方開発へと落とし込めるよう努めていく。また、原料・OEMそれぞれの部門で密に連携を図り、将来のビジョンとして自社オリジナル原料の開発を目指していきたい」(伊東氏)
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