ライオン、新宿駅に「キレイの投票所」を期間限定で開所

粧業日報 2021年11月26日号 4ページ

カンタンに言うと

  • 街の玄関口で、外出する人の衛生行動を促す実証実験を開始
ライオン、新宿駅に「キレイの投票所」を期間限定で開所
 ライオンは、街中での衛生的な行動を促進するため、JR東日本の協力のもと、JR新宿駅での実証実験を11月16日から行っている。

 この実験は、JR新宿駅新南口改札前にある「Suicaのペンギン広場」の一角に「キレイの投票所」と題して、生活者に二択の質問への回答(投票)を行うと同時に外出中の手指消毒を促すスペースを設置し、街の玄関口である駅を舞台に、外出する人の手指消毒等の衛生的な行動習慣を促すために行われる。

 新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大から2年が経過し、感染症の予防のためには「外出時にマスクをする」「手指を消毒する」「3密を避ける」等の感染防止行動の必要性が指摘され、多くの人の生活習慣として根づいてきた一方で、こうした行動にストレスを感じるといった声も聞かれる。

 そこで同社では、こうした衛生習慣を「しなければいけない」という義務的なものではなく、積極的に「したい」と思えるものに変えることで、人々のより良い衛生習慣づくりに貢献できるのではないかと考え、今回の取り組みに至った。

 実証実験では、日本一の乗降客数を誇るJR新宿駅の駅前広場「Suicaのペンギン広場」を活用し、11月16~29日に「キレイの投票所」と題した手指消毒スタンド(オートディスペンサー)を設置する。

 スタンドには2つの手指消毒液が並べて置かれ、その背面のデジタルサイネージに「来年の予定を立てるなら? スポーツ観戦? 芸術鑑賞?」「未来の新宿はどんな街になってほしい? 豊かな自然にあふれるグリーンな街? 近未来的なテクノロジーにあふれるスマートな街?」など、14パターンの質問と二択の回答を時間帯により切り替えて提示。来街者が二択のどちらかを選ぶ行為としてAの消毒液またはBの消毒液を利用すると、センサーが検知して選択した回答をそれぞれカウントする。なお、2つの手指消毒液の内容物は同じもの、パッケージやそのデザインも同じ仕様となっている。

 同社は2021年1月に、39の国・地域からスタートアップ351社が応募したオープンイノベーション・プログラム「SmartCityX」に参画。「未来のまち」を共創するという考えの下、手指消毒等の衛生行動のデータを取得し、衛生意識を見える化する「衛生ステーション」構想をスタートした。

 生活や街において、移動のハブであり、かつ街の玄関口である駅を拠点に衛生行動をモニタリングしていくことで、利用者が互いに協力して街の衛生を守っていく関係を目指していく。

 2021年6月には、丸の内のコワーキングスペース「point 0 marunouchi(ポイントゼロ)」にて手指消毒の実証実験を行い、その結果を踏まえ今回の「キレイの投票所」の実証実験を行うに至っている。

 実証実験の結果は、ライオンのホームページ内「キレイの投票所」ウェブサイトにて実証実験終了後に報告する。実験結果を踏まえたうえで、施策の有効性が認められた場合、JR東日本のその他の駅構内をはじめ、将来的には様々な場所での設置も視野に入れている。
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