山川貿易、処方に配合しやすく加工された原料が好調

週刊粧業 2021年12月6日号 10ページ

山川貿易、処方に配合しやすく加工された原料が好調
 山川貿易では、ビタミンCの画期的なデリバリーシステム「Golden C」をはじめ、処方に配合しやすく加工された原料が支持され、前期(2020年10月~21年9月)の実績が堅調に推移した。今後も原料の独自加工等により顧客の細やかなニーズに対応し、提案力を強化する。

 「Golden C」は、金コロイド粒子にピュアアスコルビン酸とグルタチオンを結合させた原料で、多様な処方に配合できる。中文INCIにも対応するなどグローバルに展開可能な点も支持され、前期の売上は前年同期比約10倍を記録した。

 ピュアアスコルビン酸の弱点となる安定性と浸透性をカバーするには一般的に誘導体化や高濃度配合が選択されるが、同原料は誘導体化することなく「100%の安定性と浸透性」(同社)を実現。またグルタチオンの同時結合で細胞内のグルタチオンを消費せずピュアアスコルビン酸の酸化を防ぎ、活性型を維持する。

 一方、「ツボクサ」由来原料を混合・水分散化しハンドリング性を向上させた「ツボフォースW」の受注も同6.5倍に伸長した。「ツボクサ」由来原料には抗炎症・抗酸化・抗老化作用等が確認され、同原料配合のCICA(シカ)クリームの流行とともに注目されているが、粉末状で溶解性も悪く扱いにくいという。

 そこで同社はツボクサに含まれる3種の高濃度活性成分「アシアチコシド」「アシアチン酸」「マデカシン酸」と単一分子「マデカッソシド」を混合・分散化し、水系処方への配合を容易にした。

 ピュアレチノールをセラミドリポソーム(セラフォース)で内包した「セラフォースレチノールプラス」もピュアレチノールを安定的に配合できると支持され、同1.5倍に伸長している。

 「有効性の高い原料を水系処方に安定的で簡便に配合したいニーズは今後より増えるだろう。新規性の高い原料発掘に加え既存原料の加工により処方・製造の効率化や省電力化をサポートし、多様な局面でお客様に喜ばれる商社になりたい」(営業部部長 神保ひとみ氏)
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