日光ケミカルズ、新社長に中原秀之氏が就任

粧業日報 2022年4月1日号 2ページ

日光ケミカルズ、新社長に中原秀之氏が就任
 原料大手の日光ケミカルズは、2022年4月1日付で、中原秀之氏が代表取締役 社長執行役員に就任した。さらに、グループ会社のコスモステクニカルセンターと合併することで、多様化するニーズや移り変わるトレンドに対して迅速に対応できる体制を整えた。

 「販売機能と研究開発機能が分かれていたこれまでの体制にもメリットがあったが、多様化する消費者ニーズや移り変わるトレンドに対応するためには、よりスピーディーに進行する必要があることから、販売機能を持つ日光ケミカルズと研究開発機能を持つコスモステクニカルセンターを合併することとなった」(中原氏)

 新社長となる中原氏は、入社後、日光ケミカルズの100%出資子会社であり、ネイルナメル・ネイルケアなどの受託製造を展開するベルジュラックジャポンの立ち上げに一から携わった。

 ネイル事業は日光ケミカルズとして初の試みであったことから、中原氏はアメリカで1カ月半、カラーマッチングや品質管理をはじめとした、ネイルエナメルの製造技術を学んだ。立ち上げ当初は、開発・製造・品質管理・充填・包装のほか、中原氏が自らフォークリフトに乗って出荷作業を行うこともあったという。

 そのほかにも、大阪支店での国内営業、本社・東京での海外営業、国内営業など幅広い経験を持つ中原氏は、「ネイル事業には立ち上げから約9年間携わった。営業も幅広く経験したが、海外と日本だけでなく、大阪と東京でも営業文化が違う。製造から販売・営業まで様々な角度からニッコールグループを見てきて、自社の強みは十分認識しているつもりだ」と語る。

 また、新たにパーソナルケア・医薬品・化成品の事業部を発足させ、よりスピーディーに市場ごとの要望に沿った製品を提供できる体制を構築する。

 事業部制を導入することで、各事業に適切なリソースを配分し、提供価値の最大化を目指す。

 「これまでも医薬品や化成品の営業は存在していたものの、規模の大きいパーソナルケアにリソースが集中しやすかった。私たちニッコールグループが誇る総合力を医薬品・化成品にも拡大し、パーソナルケアに次ぐ第2の柱とするため、今回事業部制を導入することとなった」(中原氏)

 さらに、グループのコア技術であるコロイド化学と皮膚科学をベースにした、事業アイデアの創出とインキュベーションを専門に行う新規事業開発室も新設する。

 日光ケミカルズでは、コロナ以前からテレワーク環境の整備を進めていたといい、働き方改革にも力を入れてきた。中原氏は、「社員を大切にする企業文化をしっかりと継承し、今後さらに拡大していきたいと考えている。ワクワクした気持ちで働けて、社員が働きやすい環境づくりに努めていく」と語る。

 また、中国・韓国・タイ・インド・インドネシアの5カ国を中心に、海外展開にも注力している。これまで培ってきた技術やノウハウで多様な各国のニーズに応えていく。そのほか、RSPO認証対応の製品をはじめ、環境配慮型の提案にも注力している。

 ニッコールグループでは、2030年に向けたVISIONとして、「NIKKOL 25 for 2030 美しさの化学を、社会を想う科学に。」を掲げている。また、今回の合併には「Think Next Act Together考えよう、次のこと。動き出そう、一緒に。」をスローガンとして掲げており、日光ケミカルズとコスモステクニカルセンターの合併を皮切りに、「NIKKOL 25 for 2030」の実現に向けた取り組みを加速させる。
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