一丸ファルコス、SDGs起点の原料開発を本格化

週刊粧業 2022年4月4日号 6ページ

カンタンに言うと

  • 環境配慮と有効性の両立を強化
一丸ファルコス、SDGs起点の原料開発を本格化
 化粧品・医薬部外品、健康食品分野で機能性原料の研究開発を行う一丸ファルコスは、2021年1月にSDGs委員会を発足し、「自然」「技術」「人」の3つのテーマから2030年達成目標を掲げている。

 HPに今年新設した専用ページで公開し、SDGs起点の原料開発や技術開発、働き方改革を進めていく計画だ。

 天然植物を用いた原料開発を主とする同社は、開発目標として、製品の売上の一部を海や陸を守る活動に寄与するほか、製品の品質保証期限を従来の2年から3年に延ばすことで廃棄ロスの削減に寄与する。

 環境に配慮した製品開発では、濃縮タイプの製品化も進めていく計画で、22年内にまずは2製品の発売を目指す。濃縮タイプの品目を増やすことで、水の使用量、容器のプラスチック量、輸送時のエネルギー量・CO排出量などの削減に貢献していく。

 今回の特集テーマであるアップサイクル原料では、青森県産サケの鼻軟骨由来の美容成分「プロテオグリカン」や、ワイン製造過程で発生するシャルドネ果実の搾りかす(ブドウ残渣)を用いた「クロノシャルディ(ブドウ果実エキス)」などが該当する。

 プロテオグリカンは、食品加工で通常廃棄されているサケ頭部の鼻軟骨に、皮膚や骨に様々な効果があることが確認された内外美容成分。青森県や弘前大学など産官学連携で開発した原料でもあることから、地域創生への貢献にもつながる。

 その他にも、「マンダリンクリア」(マンダリンオレンジ果皮由来)や「ルナホワイトB」(メマツヨイグサ種子由来)などの副産物を原料にした機能性原料の開発・製造を行っている。

 同社が消費者を対象に実施しているSDGsに関する意識調査では、Z世代を中心にSDGsへの意識・関心の高まりが見られているという。

 「化粧品原料として優れた効果を持つことが最優先事項であるが、商品を選ぶ際、SDGs関連商品を優先的・積極的に選ぶ消費者が増える傾向にある。今後もクライアントの商品企画やターゲット層に合わせてSDGs対応原料の提案を強化していく」(同社)
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