コーセー、フェイシャルマッサージによるたるみ改善効果を実証

粧業日報 2022年6月10日号 1ページ

カンタンに言うと

  • CT画像解析により筋膜と脂肪層の変化を確認
コーセー、フェイシャルマッサージによるたるみ改善効果を実証
 コーセーは、加齢画像研究所 ONI所長の奥田逸子医師らとの共同研究により、継続的なフェイシャルマッサージがたるみ改善に有効であることを明らかにした。たるみと関連する皮膚深部の表在性筋膜や脂肪層の状態をCT画像により解析したところ、毎日のお手入れの際に簡単な顔面マッサージを2週間続けることで、表在性筋膜と脂肪層の幅が減少し、頬の位置がリフトアップすることが確認された。

 今回の研究で、フェイシャルセルフマッサージのたるみ改善効果を、皮膚深部構造の変化から実証できたことから、同社ではこの知見の一部をハイプレステージブランド「インフィニティ」の美容筋膜マッサージとして活用している。今後も、科学的な裏付けをもって美容と健康に関わるウェルビーイングの分野も視野に入れた、よりパーソナルな価値提案を目指していく。

 加齢とともに進行する顔のたるみは、多くの人が感じている肌悩みの1つで、皮膚深部にある表在性筋膜や表情筋、脂肪層などの顔面深部構造が加齢により変化することが一因と考えられ、その対策として表在性筋膜をターゲットにした美容医療やエステ等でのマッサージが行われている。

 フェイシャルマッサージによるたるみ解消効果は経験的に知られていたが、継続的なセルフマッサージ前後での顔面深部の構造変化を解析した研究はこれまで実施されていなかった。

 研究では、29~37歳の男女5名の被験者に1日2回、乳液を塗布しながらセルフマッサージを2週間継続してもらい、試験開始前と終了時に顔面CT画像を撮影した。マッサージは90秒程度の簡単なもので、試験終了時のCT測定前にも同じマッサージを専門技術者の手により施し、取得したCT画像から皮膚深部の表在性筋膜・脂肪層の状態を解析した。

 仰向けの状態で撮影したCT画像を用いて試験前後の変化を解析したところ、左右の筋膜の最大距離である表在性筋膜幅が、試験後には5名中4名で減少し、引き締まっていることがわかった。表在性筋膜幅の平均減少量は約1.2mm(平均0.94%減少)だった。この結果から、マッサージは、加齢とともに緩みが進行する皮膚深部の表在性筋膜を引き締める効果があることが示唆された。

 次に、起きた状態で撮影したCT画像を用いて試験前後の変化を解析したところ、同一部位における脂肪層の厚みが平均で約0.8mm減少(平均3.7%減少)していることがわかった。また、頬の最も高い位置は試験前よりも平均で約2.7mm上方向に移動していることが明らかになった。このことから、マッサージはたるみ改善や頬のリフトアップに寄与していることがわかった。

 従来、フェイシャルマッサージはリンパの流れを促進し、むくみを解消すると考えられているが、今回の検討から、脂肪層の状態を変化させることでたるみ改善にもつながっていることが示唆された。
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