資生堂、第32回IFSCC Congress 2022 ポスター部門に2件入賞

粧業日報 2022年11月21日号 2ページ

カンタンに言うと

  • 江連智暢フェローがアジア圏企業から唯一の基調講演に登壇
資生堂、第32回IFSCC Congress 2022 ポスター部門に2件入賞
 資生堂は、化粧品技術を発表する世界最大の国際研究発表会「IFSCC Congress2022/第32回国際化粧品技術者会連盟ロンドン大会」にて、7名の研究員を派遣し、口頭発表部門で2件、ポスター発表部門で5件の発表を行った。

 ポスター部門では300を超える発表の中から、江連智暢フェローと岡本亨シニアサイエンティストの発表が「TOP 10 Posters」に選出された。また、江連智暢フェローが今年度アジア圏企業から唯一、基調講演のスピーカーとして登壇した。

 国際化粧品技術者会連盟(IFSCC)は1959年に設立された各国・各地域の化粧品技術者会から結成される国際機関で、本部をニューヨークにおき、22年10月現在、81の国と地域を代表する51の団体が加盟、会員数は1万6000名を超える。日本は1962年に正式にIFSCCに加盟し、化粧品技術の向上や、安全で有用な化粧品開発のための諸活動を行っている。

 資生堂は1976年から2022年までの間、本大会・中間大会を含め、合計29回(うち最優秀賞25回)の受賞歴があり、2位の11回(うち最優秀賞6回)に倍以上の差をつけ、世界の化粧品メーカーでも最多の受賞回数を誇る。

 新たに執筆した論文の提出が必須となるIFSCCの発表では、わずか2割ほどが口頭発表に選ばれるため、口頭発表部門は、研究者たちにとって非常に狭き門となっている。今回、資生堂からは井上大悟研究員の「シミ研究の新展開~表皮細胞接着因子E-カドヘリンが関与するシミ形成の複合的メカニズムとソリューション~」、日吉淳也研究員の「イノベーティブな処方技術~心地よさとシワ改善効果をもたらす新たな乳化法の開発~」が選出され、プレゼンテーションを行った。

 来場者に研究成果を共有し、活発なディスカッションの場となるポスター発表部門には、5名の研究員が参加し、江連フェロー、岡本シニアサイエンティストが「TOP 10 Posters」に選ばれた。

 江連氏は、動きまで再現した電子皮膚「4Dデジタルスキン」を用いて観察した皮膚内部の構造について、岡本氏は、既存の薬剤の物性を変え、肌への浸透性を飛躍的に高め、化粧品の可能性を大いに広げることを期待させる技術について、ポスター発表を行った。
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