山川貿易、商社としての機能をアピール

週刊粧業 2022年12月5日号 8ページ

山川貿易、商社としての機能をアピール
 山川貿易では、コロナ禍において原料を輸入・販売するだけでなく、顧客が使いやすい形に加工した原料提案に注力し、売上が伸長した。

 これまでは、海外の原料メーカーの日本代理店としての売上が多くを占めていたが、従来から行ってきた原料の加工を担う商社としての役割が大きくなった。今後に向けて原料の販売だけに頼らず、ほかの柱を増やしていきたいと考え、商社としてのアピールを強めた。

 「コロナ禍では、原料メーカーが定期的に出している新製品がほぼ出なくなった時があり、我々もお客様に従来通りのアプローチが難しくなるといった影響も感じていた。変化せざるを得ない状況に対応していった結果、今のような形になった」(同社 営業部 神保ひとみ氏)

 原料では、スペインのVytrus(バイチュラス)社の植物幹細胞エキスが、注目を集めた。

 バイチュラス社では、一度株を採取すれば、幹細胞を培養して増やすことで多量の素原料を必要としない製造方法を確立しており、耕地土壌や水の使用量、CO排出を削減できる点などから評価が高い。

 ピュアアスコルビン酸とグルタチオンを金コロイド粒子に複合化した原料であるGolden Cも引き合いが多く、金に対してグルタチオンとピュアアスコルビン酸を同時結合し配合することで、ピュアアスコルビン酸の弱点となる安定性と浸透性を、高めている。

 これまで処方が難しかった水溶物にも処方可能で、化粧水にも簡便に配合できる。少量の配合での製造が可能なことも特徴で、環境に対して比較的負荷をかけずに製造が可能だ。

 「現状では、Golden Cのようなメジャーな成分にプラスアルファしたような原料の引き合いが強いが、幹細胞は今後さらに伸びていくと考えている。ただ、トレンドは一方向に向いているわけではないので、凝り固まらず、網を広げた柔軟な提案をするよう意識している。何か困ったら相談できるのが、山川貿易でありたい」(神保氏)
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