ヒノキ新薬 阿部武彦社長、個性を探究し価値を高める

週刊粧業 2023年1月1日号 41ページ

ヒノキ新薬 阿部武彦社長、個性を探究し価値を高める
 新年は「コロナ禍御免!」と行きたいものです。

 どう考えてもコロナ禍の3年は、人生として、国家として、いや地球全体として、損をした気にしかなれません。この3年はなかったこととして、気持ちを新たに正常な営みを取り戻すべきでしょう。平常と言うか正常な生活を取り戻す。簡単なようで案外難しいことのようです。とくに群れたがる日本人は、それぞれが自由気ままに好きな方向を向き、自分の思うように行動するという事が苦手なように思えます。

 個性個性と、個性の尊重が叫ばれる中で、一斉のマスク、一斉の消毒……。太平洋戦争の最中でさえ、これほど一斉に没個性と言える方向に走ったことはなかったでしょう。改めて、人も企業も自治体も、個性を取り戻す時だと思うのです。

 個性には、自然に生まれ持っているものもありますが、自ら考え、生み出す個性もあるのではないでしょうか。個性的であるためには物事の良し悪しをしかと見極め、また、向き不向きとでも言うのでしょうか、適合性を見出していかなければならないでしょう。

 創業以来、なんとか「真似をしない・真似をされない」企業であることを目指してきました。よく、「ヒノキさんは変わっているから。」という言葉をもらい、それに対して「そうですね、ありがとうございます。」とお礼を言ってきたものです。

 日本では「変わっている」というのは誉め言葉としてあまり使われないように思いますが、私は勝手に誉め言葉と受け止めています。そしてその「変わっている」という長所を、いかようにして伸ばしていくべきかと沈思して参りました。

 時には「時の理」に恵まれず、失敗かと否定的に考えざるを得なかったこともありましたが、後に評価されるという幸いに恵まれることもありました。このコロナ禍が落ち着いても、没個性化からはなかなか抜け出せないのではないかと思っていますが、「時の理」に恵まれるか否かは気に留めることなく、いち早く個性探求の道へ進むものほど、価値が高まるのではないかと考えております。

 「肌粧品はヒノキだけ。」の道を、今後も大切にしていきたいと思っております。
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