岩瀬コスファ、美白成分の褐変抑制可能な組み合わせを提案

C&T 2023年3月15日号 32ページ

岩瀬コスファ、美白成分の褐変抑制可能な組み合わせを提案
 岩瀬コスファは、「アルブチン」と「AA2G」(林原、AA2Gは林原の登録商標)のダブル美白成分主剤の前例を取得している。

 アルブチンがチロシナーゼ活性を阻害し、AA2Gが酵素によってビタミンCになることで、還元作用によりメラニン色素を淡色化する。メラニンに多角的にアプローチする製剤開発におすすめだ。

 有効成分の褐変に困る顧客に対しては、特許出願済みの添加剤の組み合わせによる褐変抑制処方を提案している。有効成分に加えて「ジエチレントリアミン五酢酸またはその塩」と「亜硫酸類およびチオ硫酸またはそれらの塩」を配合することで、経時での褐変を抑える(図1)

 提案処方の水系、または乳化系においても、1カ月間、褐変の抑制効果が確認された(アルブチン、AA2G及びダブル美白成分配合製剤の承認前例について、詳細情報の開示には要覚書)。

 サンケア市場ではやさしいつけ心地のO/Wタイプの製剤が増えており、「コスメサーブWP-40W」(大日本化成、コスメサーブは大日本化成の登録商標)の引き合いが増えている。

 同品は、紡錘状の微粒子酸化チタンを水に均一に分散させた流動性を有する分散体である。平均粒子径は15nmで、透明性が高く、高SPF製剤の調整が可能だ。表面活性が限りなく低減されているため、様々な水溶性高分子との相溶性に優れている。また、ほとんど無臭のため、無賦香製品への配合が可能で、製造時のハンドリング性も優れている。



 実際に、紫外線防止効果として、「コスメサーブWP-40W」を配合すると配合量依存的にSPFの伸びが期待できる結果が得られた(図2)

 水溶性高分子との相性も確認している。各種水溶性高分子液に、コスメサーブWP-40W 2.5%(粉体量:1%)を添加・攪拌し、外観状態から分散性を評価した。混合直後と40℃で1週間後及び1カ月後を観測したところ、カルボマー、(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-C30))クロスポリマー、キサンタンガム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒアルロン酸Na、ケイ酸(Al/Mg)では、分散性は良好のままであった。

 カルボマー2%配合のカルボマーゲルとのpHによる相性検討では、pH5.0-7.0の経時での粘度変化と各pHにおける経時でのpH変化をみている。

 コスメサーブはシリーズで展開しており、シリコーンフリーやアニマルフリーの品種も取り扱っている。各紫外線領域と微粒子酸化チタンによって、使用目的に合わせた品種をそろえているので、様々な製剤に検討可能だ。

 同社はこのほかにも、原料商社として、原料の付加価値を高める提案に注力しており、「ユニフィルマHVY」(千葉製粉)と「レオパールKL2」(千葉製粉)併用のSPF値上昇効果を確認している。

 樹脂状被膜形成剤であるユニフィルマHVYの表示名称はイソステアリン酸デキストリンで、主な機能として、マスカラのボリュームアップやクリームの感触向上、紫外線散乱剤を綺麗に分散させることができ、SPFを上げる機能を持つ。付着性に優れ、素早く被膜をつくるのが特徴だ。

 シリコーン系被膜と比較して、フレーキングを起こしにくい。オイルのゲル化・増粘剤であるレオパールKL2の表示名称はパルミチン酸デキストリンで、主にクレンジングの粘度調整や口紅の硬度付与に使用される。油特有のベタツキ・ギラツキを抑え、伸びを改善させる。

 また、ワックスの感触改良効果もあり、指取れや伸び感を改良する。スキンケア製剤においては配合すると、乳化の安定化を付与する。



 メカニズムについては、2原料とも顔料分散効果を持っており、併用によりユニフィルマHVYが肌上で一枚の塗布膜を形成し、微粒子粉体をレオパールKL2が均一に分散させることで、SPF値の向上を発揮する(図3)

 特に、紫外線散乱剤のみの処方では、レオパールKL2およびユニフィルマHVYの配合量に従ってSPF値が高くなる傾向があり、ユニフィルマHVY単独よりも、併用した場合に、SPF値がより上昇する傾向がみられた。なお、レオパールの他グレードでもKL2と同様に、SPF値の上昇効果を確認している。

 「ユニフィルマHVYとレオパールKL2は、2原料ともECOCERT認証を取得しているため、ナチュラル系のコンセプトにもおすすめだ」(同社)
ホーム > 化粧品業界人必読!週刊粧業オンライン > 岩瀬コスファ、美白成分の褐変抑制可能な組み合わせを提案

ライブラリ・無料
ダウンロードコーナー

刊行物紹介

定期購読はこちら
お仕事紹介ナビ

アクセスランキング

  • 日間
  • 週間
  • 月間
PDF版 ダウンロード販売
化粧品マーケティング情報
調査レポート
株式会社矢野経済研究所
pagetop