池田物産、多彩な機能性植物由来原料を紹介

粧業日報 2023年5月19日号 3ページ

カンタンに言うと

  • 「サステナブル・アップサイクル」を軸に
  • 世界各国の輸入原料に加えて国産原料の海外進出支援もアピール
  • 今展示会は5つの輸入原料を軸に植物由来原料への置き換えを提案
池田物産、多彩な機能性植物由来原料を紹介
 1927年の創業で化粧品・食品の原料や香料などを取り扱う老舗商社の池田物産では、化粧品産業技術展(CITE JAPAN)に2003年の第1回から出展を続けている。

 11回目となる今回は、環境配慮への意識の高まりによって、植物由来原料への置き換えがグローバルで進展していることから、「サステナブル・アップサイクル」を軸に、国内外の多彩な機能性植物由来原料を一堂に紹介する。

 出展の狙いと今展示会の主な見どころについて、池田隆彦社長に話を伺った。

世界各国の輸入原料に加えて
国産原料の海外進出支援もアピール

 ――まずは、出展の狙いをお聞かせください。

 池田 日本化粧品原料協会連合会が主催するCITE JAPANは、日本化粧品技術者会も共催し、原料の供給側と需要側の双方が一緒になって日本の化粧品産業を盛り上げていく展示会としてスタートし、今年で20年目を迎えた。

 来場者の大半を国内のお客様が占めるため、原料商社である我々としては海外ならではの開発視点とコンセプトを持つユニークな世界各国からの輸入原料を国内のお客様に対し、ご紹介することを主な狙いとしている。

 一方で、国産原料に関しては異業種で素材開発を行い、新たに化粧品業界への新規参入を目指す国内の原料メーカー様とのタッチポイントを広げることを目的とし、過去のCITE JAPANで紹介してきた輸出原料のコーナーを今回も引き続き展開していく。

 当社では1984年にアメリカで現地法人(イケダコーポレーション・オブ・アメリカ)の設立以降、国産原料の輸出に関する仕事を長らく続けており、北米やヨーロッパ、アジア太平洋地域(APAC)など、様々な地域の化粧品産業に関する知見を蓄積してきた。

 輸出原料のブースでは、「海外に進出する際の足掛かりをすぐに掴めない」といった課題を持たれている国内の原料メーカー様に対し、その一助となるような具体的なアドバイスを行っていく。



今展示会は5つの輸入原料を軸に
植物由来原料への置き換えを提案

 ――今回のテーマである「サステナブル・アップサイクル」では、どのような原料が見どころになりますか。

 池田 今回は主に5つの輸入原料が見どころで、いずれもセミナーを開催する。まず1つめは、油溶性の粉体紫外線吸収剤「パルソールEHT」(DSM社)で、サンゴへの影響が懸念されるメトキシケイヒ酸エチルヘキシル(OMC)の代替原料として提案する。

 OMCを使用しなければSPF値が出にくいことは事実だが、それでもサンゴに与える影響を懸念し、処方を置き換える動きが世界的に強まっている。日本でも少しずつその動きが広まりつつあることから、今回は昨年に上市した「パルソールEHT」を紹介していく。

 粉末原料は溶かすテクニックやノウハウが必要で、商社である我々としては自社のR&Dセンターにて他の化粧品原料との相溶性データの取得を日々進めている。原料そのもののデータだけでなく、他の紫外線吸収剤との相溶性データも併せて原料情報を提供し、OMC代替UVケアの処方開発をしっかりとサポートさせていただく。

 2つめは、100%天然由来原料で構成されるバーム処方を提案する「植物由来エステル」(フローラテック社)だ。

 クレンジングバームやヘアバーム、マルチバームといったトレンドアイテムの開発では昨今、合成成分から植物由来成分に置き換える処方設計が課題となっている。そこで今回は、当社のR&Dセンターが事前に開発し、植物由来エステルを中心に100%天然由来原料で構成される様々なバーム処方例を提案する。

 3つめは、生体活性能を持ったケイ素(シラノール)とアデノシンを組み合わせた開き毛穴にアプローチするアクティブ原料「アデノシラン」(エクシモール社)だ。

 SNSの普及で自撮りした写真をシェアする機会が増えたことで、毛穴ケアへの意識が世界的に高まっているため、ケイ素とアデノシンの相乗効果によって毛穴周りと真皮の組織を再構築し、毛穴の弾性を回復させ目に見える毛穴を減少させるアデノシランを提案する。

 4つめは、アップサイクルから生まれた天然由来のヘアケア原料「ワスターピンクベリー」(IFF ルーカスマイヤーコスメティック社)で、天然香料成分として揮発性嗅覚化合物を抽出した後の副産物を由来とする。

 最後の5つめは、地域産業活性化とメーカー特許抽出技術により生まれた光老化防止原料「ソラステミス」(ガテフォッセ社)だ。新原料だけでなく既存原料も改めて掘り起こし、我々の原料がいかに環境に対してフレンドリーであるかを今展示会でアピールしていく。
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