資生堂、加齢で真皮が薄くなる現象を防ぐ独自混合エキスを開発

粧業日報 2023年5月24日号 6ページ

資生堂、加齢で真皮が薄くなる現象を防ぐ独自混合エキスを開発
 資生堂は、再生医療研究で培った細胞実験ノウハウを生かし、加齢によって真皮が薄くなる現象である「菲薄化」を皮ふの三次元モデルで再現することに成功し、真皮菲薄化を防ぐ成分として、ニンドウ花エキス、サフラワーエキス、ブプレウルム根エキスからなる独自混合エキスに効果を見出した。

 エキスは同社スキンケアに応用し、しわやたるみなど、エイジング悩みに対応するソリューションを提供していく。

 代表的な老化現象であるしわやたるみは、加齢に伴う大きな悩みとして、長年にわたり、その予防・改善方法の開発が望まれてきた。同社はこのような悩みに応えるべく、皮ふ老化に関する研究に長年取り組み、真皮幹細胞とたるみの関連や、免疫細胞が皮ふ内の老化細胞を排除する仕組みなど、多くの知見を創出してきた。真皮の菲薄化は老化とともに見られる現象で、皮ふ全体の弾力の低下やぜい弱化を引き起こして、しわやたるみなどにつながる。

 今回、同社は皮ふ構造の変化を仔細に捉え、その詳細なメカニズム解明も可能にすべく、加齢によっておこる真皮の菲薄化を再現する三次元皮ふモデルを開発することに挑戦した。

 三次元皮ふモデルの開発には、細胞サイズの肥大化、細胞増殖の停止、老化マーカーの検出といった老化細胞の特性が再現されている、同社がこれまで再生医療研究の中で培ってきた技術を用い独自開発した真皮老化細胞モデルを用いた。その結果、作成した三次元皮ふモデルにて、これまで再現が難しかった真皮の菲薄化という、老化に伴う真皮構造の変化の観察が可能となった。

 真皮菲薄化は、コラーゲンやエラスチンなど、細胞外マトリックスの分解が進むことで引き起こされることがわかっている。そこで、開発した三次元皮ふモデルを用いて、真皮菲薄化を改善する効果を持つ成分を探索したところ、ニンドウ花エキス、サフラワーエキス、ブプレウルム根エキスからなる独自混合エキスが、三次元皮ふモデルの真皮菲薄化を防ぐ効果を有することを発見した。

 また、独自混合エキスの真皮菲薄化改善効果について、より深く調べたところ、この独自混合エキスが細胞外マトリックス分解酵素の一種であるMMP1(matrix metalloproteinase 1)の遺伝子発現を抑制する効果を有することを見出した。
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