池田物産、ヴィーガン対応の乳化剤や新UVA吸収剤に反響

週刊粧業 2023年7月3日号 25ページ

池田物産、ヴィーガン対応の乳化剤や新UVA吸収剤に反響
 化粧品・食品の原料や香料などを取り扱う老舗商社の池田物産では、CITE JAPAN 2023で、「サステナブル・アップサイクル」を軸に、国内外の多彩な機能性植物由来原料を一堂に紹介した。

 その中でも特に、100%植物由来の複合乳化剤「エマリウム デルモリア」(ガテフォッセ社)と、高いUVA吸収能を持った光安定性の高い粉体紫外線吸収剤「パルソール DHHB」(DSM社)、生体活性能を持ったケイ素とアデノシンを組み合わせ、開き毛穴にアプローチするアクティブ原料「アデノシラン」(エクシモール社)への反響が多かったという。

 エマリウム デルモリアは、動物抽出物を一切使用しない厳格なヴィーガンを意識して新たに開発された乳化剤で、今回のCITEで初披露となった。

 「ガテフォッセ社が開発した植物由来の複合乳化剤はこれまで、軽いタッチのみずみずしいテクスチャーをもたらす『エマリウム メリフェラ』もあるが、この原料には動物抽出物に該当するミツロウが含まれる。そのため、植物由来へと完全に置き換えて同じようなテクスチャーと機能性を持たせたヴィーガン対応の乳化剤として、エマリウム デルモリアが誕生し、今展示会では多くの引き合いがあった」(同社)

 パルソール DHHBは、UVB紫外線吸収剤とも幅広く相溶性があり、様々な処方系にも使用可能で、同原料も今回のCITEで初披露した。

 「技術発表では、自社のR&Dセンターにて粉体紫外線吸収剤と他の化粧品原料との相溶性データの取得を日々進めている我々の知見をお伝えした。原料そのもののデータだけでなく、他の原料との相溶性データも併せて原料情報を提供することで、処方開発をサポートしていく」(同社)

 アデノシランは、ケイ素(シラノール)とアデノシンの相乗効果によって毛穴周りと真皮の組織を再構築し、毛穴の弾性を回復させ目に見える毛穴を減少させる作用が確認されている。

 「真皮の中にも含まれ、皮膚の弾力や保水につながる役割を持つケイ素自体の認知度が高まっていることに加え、毛穴改善のメカニズムを持つアクティブ原料が希少という点もあり、今展示会では多くの企業から引き合いが寄せられた」(同社)
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