コーセー、新生児でも安全に使えるスキンケア製剤を確認

粧業日報 2023年7月26日号 5ページ

コーセー、新生児でも安全に使えるスキンケア製剤を確認
 コーセーは、小児アレルギーの専門医療チーム(千葉愛友会記念病院)と共同で実施している「妊婦への教育介入による赤ちゃんのアレルギー発症予防に関する研究」にて、研究資材として提供した乳液型のスキンケア製剤が生後3日以降の新生児(生後28日までの赤ちゃん)にも安全に使用できることを確認した。また、一般的に乾燥しがちである赤ちゃんの肌に対し、4カ月間の継続使用により肌の水分量が増加することを確認した。

 近年、子どもたちの成長過程において、適切なスキンケアを行うことの有用性が広く知られるようになり、乳児期のスキンケア習慣は、肌を健康に保つだけでなく、アトピー性皮膚炎や他のアレルギー予防にもつながる可能性や、生涯にわたるQOL向上に資する可能性が指摘されている。

 そこで同社は、2019年より小児アレルギー専門チームと共同し、妊婦へのスキンケア習慣・栄養・生活環境に関する教育の実施が赤ちゃんのアレルギー予防につながる可能性を検証する研究に取り組んできた。今回、その研究過程で同社が提供するスキンケア製剤が生後3日後からの新生児でも安全に使用できる知見が得られた。

 臨床研究に参加した新生児のうち89名が、同社提供のスキンケア製剤を用いて生後3日目から家庭でのスキンケアを開始。うち51名は全身に週5日以上、1カ月間使用を継続し、30名は計4カ月間使用を継続した。

 使用期間中に同社が提供したスキンケア製剤が原因となった皮膚の赤みと湿疹の発生は1件にとどまり、医師の診断と指導により、スキンケア製剤の使用量を減らすことで、肌トラブルは改善された。

 なお、継続しなかったいくつかの家庭に理由の聞き取りを行ったところ、使い切った後に新しい製剤を受け取りに行く時間がないなど、肌トラブルによるものではないことが確認できた。以上の結果から、今回提供したスキンケア製剤は新生児期の赤ちゃんが安全に使用できるという結果が得られた。

 実際に、同社が保有する成人のデータ(20~60代の219名、平均年齢37.5歳、男女比1:2)と比較してみると、新生児の肌の水分量は成人の約3~4分の1程度であることもわかった。

 今回の試験では、25年以上にわたる敏感肌研究を応用し、アトピー性皮膚炎の寛解期の患者でも使用可能なスキンケア製剤が用いられたが、生まれたばかりの新生児の肌でも安全に使用できることが確認された。

 この研究成果は今後のスキンケア商品に応用される。今後も新生児や子どもの皮膚に関する研究を継続し、スキンケア習慣と子どもの成長過程におけるQOLやアレルギー予防への影響を明らかにしていく。
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