コーセー、シワのパーツケアで対人印象を変えられることを実証

粧業日報 2023年9月14日号 2ページ

コーセー、シワのパーツケアで対人印象を変えられることを実証
 コーセーは、北海道情報大学 向田茂研究室との共同研究により、顔のシワはその部位によって与える対人印象が異なることを見出していたが、今回、実際にシワぼかし効果のある製剤を用いることで即時的に対人印象を変えられることを実証した。研究成果の一部は、9月4~7日にスペイン・バルセロナで開催された「第33回 IFSCC 学術大会」にて発表した。

 シワは顔の様々な部位に現れ、その人の個性や印象にも関わる重要な要素だが、これまでどの位置のシワがどんな対人印象を与えるかということは十分な科学的検証がなされてこなかった。そこで同社は、シワの部位ごとの変化が対人印象にどのような影響を与えるかを明らかにし、それをシワ用の化粧品の使用を通して、叶えたい対人印象を実現することを目指した。

 最初に、顔の特徴を平均化する研究を専門とする北海道情報大学 情報メディア学部 向田茂教授との共同研究により、様々なシワを画像上に再現できる特殊な画像処理技術を使用し、シワの部位ごとの変化が対人印象に与える影響を評価した。

 この結果、シワの部位によって影響する対人印象は異なることが明らかになり、例えば目尻のシワが減ることで一般にも認知されている「若々しい」のほか、「生活感がない(身なりがきちんと整っている印象)」「凛としている」という印象が高まる傾向があることがわかった。一方で、例えば目尻のシワが減ることで「優しい」「温かみがある」という印象が低下することも見出しており、個人のなりたい印象に合わせたシワのケアが求められることが考えられた。

 次に、実際に化粧品を用いてシワをケアすることで、対人印象が変化するかを検証した。シワのある実験参加者に対して、シワをぼかす効果を持つ製剤を各シワ部位に使用してもらい、その後の対人印象の評価を行った。

 その結果、製剤の使用によってシワの見え方が変わり、使用する部位によって異なる対人印象に変化が現れることがわかった。例えば、目尻のシワに用いた場合は、「若々しさ」と「生活感のなさ」の印象が高まり、「優しい」「温かみがある」の印象は低下することがわかった。

 これにより、化粧品によるシワのパーツケアを行うことで、対人印象を変化させることができ、一人ひとりが叶えたい印象をデザインすることができる可能性が示された。

 今後はこの知見をシワケア商品に応用するとともに、シワ以外の対人印象に影響する要素にも研究を拡げ、より顧客に寄り添った商品の開発や美容提案につなげていく。
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