池田物産、相溶性データも併せた原料提案に強み

週刊粧業 2023年10月16日号 62ページ

池田物産、相溶性データも併せた原料提案に強み
 今期(2024年3月期)に入って国内が回復基調にあり、上半期は増収増益で推移しました。まず国内で足元をしっかりと固めて良い原料をご紹介していくことが我々のやるべきことであり、今後もその方向性で進んでいきたいと思います。

 今期は特に、メークやUV関係の製品に使用する原料をはじめ、ツーリストの観光需要が回復している影響から、フェイスマスク製品の原料出荷が好調に推移しています。国内で販売する輸入原料については今後、従来のサプライヤーに加えて新たな取引先を開拓し、提案の幅を広げていきます。

 一方の海外は、欧米を中心に引き続き日本産の原料に対する興味や関心が高まっており、ボリュームとしてはまだ小さいですが、ポーランドやバルト三国からも引き合いがあります。最近では、トルコからも割と大型の注文をいただけるようになっており、今後もしっかりとフォローして各地域の需要を汲み取っていきたいと考えています。

 日本産の原料は機能性が高く、安全性も海外のお客様に認識されており、そこが需要の高まっている大きなポイントといえます。海外では化粧品産業が伸び盛りの国や地域がたくさんありますので、そこに対してアメリカの現地法人(イケダコーポレーション・オブ・アメリカ)も含め、グループ一丸となって日本産原料の情報提供や提案を今後も進めていきます。

 国内・海外ともに共通するトレンドとしては、石油由来から植物由来の原料への置き換えが進んでいます。そのため、需要が高まっているサステナブルやアップサイクルを訴求した環境にやさしい原料や、バイオテクノロジーを活用した機能性の高い植物由来原料の提案に注力していきます。

 今後の取り組みでは、取引条件の前提となってきている情報セキュリティ対策をより一層強化していく方針です。また、自社のR&Dセンターで様々な化粧品原料との相溶性データを取得しており、こうした我々の強みを活かして単に原料を紹介するだけでなく、原料を使用されるお客様にとって使い勝手の良い有用な情報も併せた提案を引き続き進めていきます。
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