木村産業、食品工場の廃材からアップサイクル

週刊粧業 2024年1月1日号 88ページ

カンタンに言うと

  • 100%天然由来の乳化・増粘剤「ET2」を提案
木村産業、食品工場の廃材からアップサイクル
 木村産業では、サステナビリティに富んだ国内外の原料を広く提案している。

 ベルグシュミット社の「ET2」は、100%天然由来の乳化・増粘剤で、食品原料をメインに取り扱う食品工場から出た廃材を利用して製造されていることから、アップサイクル原料としての提案も行っている。

 プロビタル社の「ALTHEOSTEM」は、植物由来幹細胞エキスを使用したサステナブル原料で、in―cosmetics Global 2023にて銀賞を受賞している。

 セノリティクス(老化細胞選択的除去)作用を応用した原料で、プロビタル社が行った試験の論文がIFSCC 2020のトップ10ポスターに選出された実績を持つ。AIを用いた試験で、機械学習機能と、22万枚以上の画像を使用し、当原料を使用した場合の若返り効果を算出した。

 製造方法も注目を集める要因の1つだ。タチアオイ花由来の幹細胞培養エキスを使用しており、幹細胞の自己複製能を活用した半永久的な幹細胞培養が可能で、持続可能な生産体制を構築することができる。

 幹細胞培養エキスの製造には、少量の植物、少量の水のみを要し、多くのエネルギーを必要としないため、気候変動への影響軽減や、陸域生態系の保護にも寄与するなど先進的な原料となっている。

 「Circanblue」(プロビタル社)は、サーカディアンリズムを整えることで、健康な皮膚に導く発酵物由来原料だ。サーカディアンリズムとは、生物に存在する約24時間の周期のことで、睡眠の周期や体温・自律神経・免疫系・ホルモン分泌などの調節を担っている。このリズムが不調をきたすと、睡眠不足につながり、皮膚の状態に不調をもたらすといわれている。

 ブルーライトもリズムを乱す原因のひとつだ。日光にもブルーライトが含まれており、朝に日光を浴びることで体内時計をリセットすることができる。しかし、夜にブルーライトを浴びてしまうと、体の睡眠サイクルを乱し、睡眠障害などの健康問題の原因となるといわれており、デジタル化が進んだ現代では、大きな問題として捉えられている。

 「Circanblue」は、スキンケアなどに配合することで、ブルーライトによって機能が低下した皮膚修復システムの回復など、リズムの乱れによる肌の不調を防ぐことが期待できる。

 「国内・海外市場ともに、睡眠の質と皮膚の状態改善を紐づけた原料が増えてきており、ウェルビーイング原料としての提案も強化していきたい」(同社)
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