日本精化、リン脂質素材の提案に注力

週刊粧業 2024年1月1日号 88ページ

カンタンに言うと

  • 本社1階にオープンラボを新設
日本精化、リン脂質素材の提案に注力
 日本精化は、化粧品事業の柱の1つであるリン脂質素材の商品として、「PrimeLipid PI」と「PrimeLipid ALPA」の提案に注力している。

 「PrimeLipid PI」は、生理活性物質としての引き合いが増加している。ホスファチジルイノシトール(PI)を高配合した植物由来のリポソーム前駆体で、化粧品、医薬部外品、中国展開に対応する。

 リポソーム前駆体としての肌なじみの良さに加え、保湿、美白、抗シワ効果等マルチな機能が注目を集める。またコラーゲンの減少抑制やROS(活性酸素)発生の抑制データ等も確認し「美肌スイッチを強制的に押す」効果も期待できる。化粧水・乳液・クリーム等スキンケア製剤全般への配合を可能とする。

 PrimeLipid ALPAは、独自技術により開発した低刺激性のリゾホスファチジン酸を配合した生理活性リン脂質素材として、23年より提案を開始している。

 タイトジャンクション強化やコーニファイドエンベロープ成熟を介した皮膚バリア機能の改善効果に加え、細胞骨格であるアクチン線維の重合促進による肌の引き締めや毛穴目立ちの改善といったリゾホスファチジン酸が有する様々な生理活性を保持しながら刺激性を低減している。

 Non-GMO、RSPOに対応した原料から製造されるサステナブルな製品で、医薬部外品への配合も可能な、人にも環境にも優しい点でも強みだ。

 2023年11月に開催された「in cosmetics Asia 2023」では、Spotlight Onにて展示した浸透促進剤である「Neosolue-Aqulio」の処方品がシルバー賞を獲得した。

 「元々は完全石油由来でスタートした素材だったが、サステナブル対応を行い、自然由来指数を大幅に上昇させたことで、高い評価を頂いたと考えている」(同社)

 2024年4月には、「リン脂質といえば日本精化」というイメージのさらなる浸透を図るため、大阪本社の1階にビューティケア営業部が運営するオープンラボを新設する。

 「ラボ内は、実験台を3台設置し、顧客とともに処方開発を実施する機能を有するほか、セミナールームを設けており、営業活動の幅を大幅に広げる計画だ」(同社)
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