ニュートリション・アクト、生きたヒト皮膚組織を使った分析試験新技術に注力

週刊粧業 2024年1月29日号 6ページ

ニュートリション・アクト、生きたヒト皮膚組織を使った分析試験新技術に注力

 ニュートリション・アクトは、化粧品・サプリメント・健康食品の原材料販売や機能性食品・化粧品のOEMのほか、試験受託サービス事業にも注力している。

 同社が国内総代理店として展開する「ex vivo分析試験サービス」は、フランスのバイオイーシーラボラトリー社による、生きたヒト皮膚組織を使った分析試験サービスで、実際の肌に限りなく近い環境で肌への有用性を評価できる。

 肌の中の変化を視覚化・数値化できるのも大きな強みだろう。同試験では、皮膚組織の染色や、画像解析による肌内部の変化の評価を行う。そのため、メラニンの産生量やコラーゲンの増加、保湿成分の増減などを組織・細胞レベルで確認し、画像や数値で判定することが可能だ。シワの深さなど、肌表面で起きた変化の裏付けデータとしても活用できる。

 主な有効性試験としては、アンチエイジング・美白・紫外線保護・保湿・抗炎症・抗菌・育毛・アンチポリューション・アンチブルーライトなどが挙げられる。化粧品だけでなく、食品の有効性も評価することが可能だ。

 また直近では、有効性だけでなく、浸透性試験依頼も増加傾向にあるという。

 「これまではサプライヤーや研究ベースの試験依頼が中心だったが、最近は、メーカーから商品の訴求のためにプラスワンのユニークなデータを求めて、浸透性試験の依頼をいただく機会も多く、幅広い用途で提案を進めている」(同社)

 なお、2022年からはex vivoよりもさらにヒトの皮膚条件に近い環境で試験が実施できる「Perfex vivo」の提案も強化している。ex vivoでは、全てインキュベーター内で実施が必要だったが、Perfex vivoはインキュベーター外で皮膚組織片の培養、試験実施が可能になった。

 インキュベーター内は、表皮・真皮にとっては良い環境だが、角質層にとっては温度・湿度が高すぎる。Perfex vivoは、インキュベーター外で実施できるため、角質層は外気の環境で試験が可能となり、皮膚表面温度も生理的温度に近い状態で試験を実施できるようになった。さらに皮膚組織片をサポート台に固定することで、皮膚のシュリンクが起こりにくく、実際の肌環境をより再現している。

 また、皮膚内側の評価と同時に、表面のマイクロレリーフ(キメ)評価も行えるようになった。肌バリア機能の評価においては、内側のフィラグリンなどの組織学的評価に加えて、肌の表面上の水分量も同時に評価することができるという。

 試験期間は、ex vivoが最大10日間、Perfex vivoが最大5日間となっているため、試験内容によって選択することを推奨している。

 「Perfex vivoは、日本国内ではまだあまり知られていないため、バイオイーシーラボラトリー社独自の最先端技術として、業界内に周知していく」(同社)

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