化粧品ODM/OEMの国内大手である東洋ビューティは、OEM案件が苦戦したものの、スキンケアを中心としたODM案件の受注増により、2023年12月期の売上高はほぼ横ばいで推移した。5カ年計画の最終年度にあたる2024年度の取り組みについて、岩瀬史明社長に話を聞いた。
――ODM好調の要因をどう捉えていますか。
岩瀬 新しいモノづくりに向けた取り組みで、技術力や発想力を活かし、新規性の高い製品の提案がうまくいっている。
背景には、処方データベースの活用により開発の効率化・時短化を進められていることもある。これを続けることで、新しい市場に挑戦しつづける企業として認知を広げ、パートナーシップを強化していく。
――社長就任時よりスタートした5カ年計画も最終年度を迎えます。振り返っていかがですか。
岩瀬 新たに掲げた経営ビジョン「世界最良のODM企業となる」の実現に向けた土台づくりとして、投資先行で組織再編や企業体質の改善・強化を図ってきた。
「世界最良のODM企業」になることは、社内外から「愛される企業」となることが大前提だと考えている。技術力や人間力を高め、企業の品格をさらに上げていく必要がある。
前期からは、新たな改革プロジェクトを立ち上げている。「働きやすい職場環境づくり」「従業員の教育・育成」「社内バリューチェーンの構築」「AI・IoTの活用推進」などを中心に改革を進めている。
――各工場では環境整備も進められています。
岩瀬 佐賀工場に続き、宇都宮工場にも太陽光発電を導入した。環境への取り組みでは、進められる部分から着実に進めていきたい。
また、OEM部門の強化に向けて、各工場でQCDSの向上を図る。前期は上野工場(三重)の改修工事を終えた。宇都宮工場についても今後、老朽化対策や多様化する顧客ニーズに対応できる生産体制の見直しも進めていく計画だ。
新しい佐賀工場は、アジア圏へ輸出する化粧品にも柔軟に対応できる工場でもある。中国やASEAN企業との取引を増やして、「世界最良のODM企業」を体現していきたい。
この記事は週刊粧業 2024年2月26日号 10ページ 掲載
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