シー・アクト、極微量添加でシワ改善

C&T 2024年3月15日号 78ページ

カンタンに言うと

  • 研究をさらに深化
シー・アクト、極微量添加でシワ改善
 シー・アクト(本社=東京・千代田区)は、天然由来でリサイクル可能な原料の研究開発に取り組んでおり、化粧品や食品など様々な分野への応用化を進めている。「PENTADECYL(ペンタデシル)」(化粧品表示名称:オーランチオキトリウムリマシヌム油エキス)は、DHAやEPAをつくり出す微細藻類として注目を集めている。

 微細藻類のオーランチオキトリウムが産生する脂質から抽出したサステナブル原料で、極微量0.001%の添加で肌への高い保湿効果を示す機能性油脂として注目を集めている。

 オーランチオキトリウムは、約5~20㎛の単細胞・微細藻類で、川が海に流れ出る河口部の汽水域、マングローブが生い茂る美しい南の海、日本近海など世界中の海に存在している。オーランチオキトリウムは、青魚に含まれるDHAやEPAを作り出すことで注目され、ペンタデシルの起源でもある。オーランチオキトリウムが産生する油脂「ペンタデシル」には、健康や美容にかかわる様々な効果が確認されている。

 コラーゲン産生の停滞など肌の様々な生理機能の低下は、小胞体ストレスにより発生している。そのため、小胞体ストレスを緩和することにより、肌を健康な状態に保ち、肌トラブルを改善することができると考えられる。

 ペンタデシルは、極微量の添加(推奨添加量0.001%)で、保湿性によるシワを目立たなくさせる効果が認められた。細胞による検討で、小胞体ストレス緩和により、小胞体ストレスによるコラーゲン産生などを改善することも、実験的に確認された。



 0.001%ペンタデシル配合化粧水とコントロールをそれぞれ1日朝夕2回、4週間連続で塗布を行ったヒトモニター試験(化粧品機能評価法ガイドライン)では、目視及びレプリカ評価でシワ改善が有意に下がった。化粧品領域における保湿によるシワ改善を認めることが出来た。

 以上から、ペンタデシルを配合することにより、「乾燥による小じわを目立たなくする」を標ぼうすることができる。

 同様の試験方法にて、角層水分量の変化を調べたところ、ペンタデシル配合化粧水は、短時間で保湿性を高めるとともに、連用塗布により肌の保湿力を向上させることが認められた。塗布20分後の角質水分量では、コントロールに比べ、0.001%ペンタデシル配合化粧水により、角質水分量が有意に増加することが認められた。

 以上から、ペンタデシルは、短時間で保湿効果を発揮し、使い続けることにより肌の保湿力を向上させる。



 そのほか、細胞レベルの試験では、ペンタデシルは濃度依存的にコラーゲン産生を促し、ヒト真皮線維芽細胞を増やす働きが認められている。

 ペンタデシルは、化粧水や乳液などスキンケア製品を中心に様々な化粧品への配合が可能である。また、スキンケア効果を持つファンデーションなどの企画にも適した原料といえる。

 食品用途のペンタデシルでは、ペンタデシル6mg/日の経口摂取により、真皮のコラーゲンが増加する論文を発表しており、インナービューティ成分としても注目を集めている。

 同社は、ペンタデシルの研究をさらに進め、化粧品や健康食品の開発をサポートしていく。
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