コーセー・小林一俊社長、2024年入社式祝辞

週刊粧業 2024年4月8日号 12ページ

カンタンに言うと

  • 失敗を恐れずに、多くのことにチャレンジ
コーセー・小林一俊社長、2024年入社式祝辞

 今年は初めてコーセーグループ3社合同で入社式を開催した。本日こうして皆さんを迎えられたことを嬉しく思う。創業80周年を目指して策定した中長期ビジョン「VISION2026」において、今年は「フェーズⅡ」の最終年度となる年で、当社にとって重要な時期に入社したと皆さんには捉えてもらいたい。今コーセーが大切にしていること、新入社員の皆さんに期待することをお伝えする。

 まずは、「3G」。これは、これからのお客さまづくりのポイントである「グローバル(Global)・ジェンダー(Gender)・ジェネレーション(Generation)」の頭文字をとったキーワードだ。一つ目のグローバルという点では、世界での存在感を高めるため、ボーダーレスに、世界中の人々に受け入れていただけるような商品やサービスを生み出し、届けていかなくてはならない。二つ目のジェンダー、三つ目のジェネレーションという点では、化粧品は「ある程度年齢を重ねた女性のためのもの」という先入観を払拭することで、大きな伸びしろがあると考えている。ジェンダーにおいては、単純に「メンズ化粧品」を展開するということではなく、男女の性差に関わらず、当社の商品価値を知ってもらい、ケアや美容、化粧を楽しんでもらうことが重要だ。また、ジェネレーションにおいては、メイク習慣の若年化というトレンド的な要素もあるが、一方で、当社の様々な研究から近年明らかになってきた幼少期からスキンケアを行う有用性といった要素もおさえ、新たなお客さまづくりを推進していく。「3G」を具現化するために、各ブランドの広告で、羽生結弦選手、大谷翔平選手、髙橋藍選手などのスポーツ選手を起用している。これからもスポーツ振興に注力し、コーセーらしい取り組みとして、幅広いお客さまに当社を知ってもらうきっかけにしていきたい。

 次に、「KOSÉ Beauty Partnership」。これは、当社と取り巻くステークホルダーの皆さまと、互いに高め合う関係を構築する、という考え方だ。当社は、創業時から「共存共栄」という考え方を持ち、お客さまはもちろん、販売店やサプライヤーなどの取引先とも重要なパートナーとして長年にわたり一緒に活動してきた。その考えが発展し、今では社員はもちろん環境、行政、時には同業他社などと一緒に手を組むこともある。これからも当社に関わるあらゆるステークホルダーを重要なパートナーとして位置づけ、企業活動を推進していく。

 まずは、「良い商品を、良いお店で、きちんと売る」という活動理念を紹介したい。「良い商品」を開発するだけでなく、「良いお店」を通じて、正しいカウンセリングや使い方の指導ができること、お客さまが商品を選びやすくなっていること、など「きちんと売る」ところまで意識した活動が重要だ。私はそのようなことを一つひとつ積み重ねていくことが、企業が広く社会から信頼されることにつながるものと考えている。

 次に、「チャレンジすることの大切さ」を伝えたい。当社にはこれまでも多くのピンチが訪れてきたが、その時々で、先を見据えた打ち手を講じ、それぞれのピンチをその後の飛躍のチャンスとしてきた。まさしく2020年からのコロナ禍、そしてそこで様々な課題が顕在化した今は、これに次ぐピンチと言える。皆さんには、まさしくこのピンチをチャンスに変えるため、貪欲かつ泥臭く、逞しさをもって、失敗を恐れずに、多くのことにチャレンジしてほしい。

 最後に伝えたいことは、「改革」と「変革」という視点をもって、将来を見据えて様々な提案をしてほしいということだ。「変えるべきことと、守るべき(変えてはならない)ことの峻別が大切」であるということと、自分自身も変わり続けなければ周りの変化についていけないということを、改めて自覚することが大切だ。

 皆さん自身の強みとなる多様な個性を活かし、今日からコーセーの一員として、我々と一緒に新たな未来を切り開いていくことを期待している。

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