一丸ファルコス、真皮への作用を見出し、たるみ･顔やせを改善

　一丸ファルコス（本社＝岐阜県本巣市）は、肌のたるみや顔やせといった加齢にともなう様々な見た目の老化症状に対し、真皮にはたらきかけて改善へと導く天然由来機能性原料のラインナップを強化している。研究では、抗シワ･抗酸化作用を持つ成分と組み合わせることで、シワ、たるみ、シミなどの老化症状を緩和する効果が高まることも実証し、集中ケア製品やリニューアルなどに適した機能性原料として紹介を進めている。

　まず紹介する「ヒアルガード〈カワラヨモギエキス〉」は、カワラヨモギ頭花から抽出したエキスで、肌のたるみに着目した天然由来の機能性原料である。

　皮膚のたるみやシワができる一因として、加齢による真皮ヒアルロン酸の減少があげられる。表皮ヒアルロン酸は、ヒアルロニダーゼによって分解されるが、真皮ヒアルロン酸は、線維芽細胞が生み出すタンパク（HYBID）が関わる経路で分解され、肌の老化症状につながる。

　同社は、in-vitro試験にて、ヒアルガードは真皮繊維芽細胞からのHYBID発現を抑制し、HYBIDに起因する高分子ヒアルロン酸量の減少を抑制する効果が認められた。30～50代男女をモニターに1%ヒアルガード配合化粧水を用いて実施したヒト評価試験では、コントロールに比べ、頬のたるみ幅（将来たるみ）が減少し、また、ほうれい線シワの減少も認められた（図1）。

　以上から、ヒアルガードは、真皮ヒアルロン酸分解・低分子化を防いで、肌の将来たるみやシワ発生の予防･改善が期待できる。

　次に紹介する「スプリングミント〈セイヨウハッカエキス〉」は、肌老化の初期段階のである皮膚の浅い部分（表皮上部）で分泌される細胞外ATPの産生を抑制することにより、肌が痩せ細って見える真皮の菲薄化を改善する天然由来の機能性原料である。

　細胞外ATPは、乾燥や肌荒れ、紫外線などによって増加するが、スプリングミントを添加することで、細胞外ATP産生を抑制することができる。また、細胞外ATPによる刺激を受けた加齢表皮細胞は、細胞老化関連因子を分泌（SASP誘導）し、周辺細胞の老化を誘導することが報告されているが、スプリングミントは細胞外ATP刺激によるSASP誘導も抑制する。

　さらにSASPは真皮にある線維芽細胞のMMP-1産生を増大させ、コラーゲン分解に関与する。同社の研究では、新たにシワ改善有効成分で知られるナイアシンアミド（ニコチン酸アミド）とスプリンスミントを併用することにより、SASPによる線維芽細胞からのMMP-1産生に対する抑制効果が、大きく高まることを見出し、シワ改善に対する相乗効果が期待できるとしている。

　老化の兆候がある男女14名をモニターに1%スプリングミント配合ローションを1日2回、12週間塗布したヒト試験では、スプリングミントの使用から4週間後、真皮の薄さが改善し、ハリの改善などが認められた。また、目じりと首もとのシワを改善する効果も確認でき（図2）、目じり周辺では、浅いシワから深いシワまで有意に改善するデータが得られた。

　最後に紹介する「アデプルン〈アルニカ花エキス〉」は、皮下脂肪細胞の増殖や分化を促して、肌のボリュームアップが期待できる。

　老け顔になる要因として、加齢や紫外線による皮下脂肪の退縮・減少がある。皮下脂肪層がボリュームダウンすると、肌のハリがなくなり、肌表面に凹凸が生じて、陰影のある暗い印象を与えるしぼみ肌になっていく。

　しぼみ肌を改善するために、美容クリニックでは脂肪注入を行うが、アデプルンは、たるみなどの老化症状が気になる目の下や頬、唇などに使用することで、肌のボリュームアップが期待できる。

　40～60代男女12名をモニターに1%アデプルン配合フェイスジェル／リップジェルを用いたヒト試験では、1%アデプルン配合ジェルを塗布した頬部･口唇部の体積が有意に増加する結果が得られた。また、同様の試験で、ほうれい線部位のシワ幅を測定したところ、コントロールに比べ、ほうれい線のシワ幅を有意に減少することが認められた。

　真皮の深い部分にある皮下脂肪に働きかける成分として、ボディケアなどの製品に配合することができる。エステ･美容クリニック向けの商品企画では、バストアップ向けの機能性成分として用いられている。

　また、アデプルンは皮下脂肪層に働きかけ、加齢症状をケアできる特徴を持つことから、ヒアルロン酸で形成されたニードルにアデプルンを高配合した「アデプルン配合マイクロニードル」のOEM提案も開始している。アデプルン配合マイクロニードルは、頬部やほうれい線などに貼って寝るだけで、ハリや弾力のある肌へと導く。体感性が高いマイクロニードルとして、小ロット受注にも対応し、スペシャルケアや集中ケアの市場活性化に寄与していく。