日光ケミカルズ、エイジングケアに高安定性レチノール誘導体を提案

C&T 2024年6月17日号 36ページ

日光ケミカルズ、エイジングケアに高安定性レチノール誘導体を提案

 日光ケミカルズは、エイジングケア・保湿原料として、ヒアルロン酸産生を促進する水素添加レチノール「NIKKOL レチノール H10」を提案する。

 レチノールは、細胞賦活作用やヒアルロン酸産生作用といった効果を期待できることから、エイジングケアをターゲットとしたスキンケア製品に広く利用されている。一方で、光や熱、空気による変性を受けやすく、取り扱いには注意が求められる。そのため、レチノールの安定性向上を目的として、処方やパッケージ、誘導体が開発されてきた。同社では、抗シワ効果のあるレチノール(ビタミンA1)に水素を添加することで、高い安定性と優れたエイジングケア機能を両立したNIKKOL レチノール H10を開発し、提案している。

 レチノールは分子内に複数の二重結合をもち、光や熱などにより酸化されやすい。しかし、分子中の二重結合に水素を添加したNIKKOL レチノール H10は、無色透明な外観をもち、光や熱に対する耐性が向上する(図1)。同社では水素添加技術を保有しており、この技術を多くの製品開発に応用しているという。

 NIKKOL レチノール H10の安定性について、レチノールおよび酢酸レチノールとの比較評価を実施している。それぞれトリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリルに溶解した10%溶液を調製し、各試料を日光のあたる南側の窓際に1週間静置した後に、各試料中に含まれるレチノールまたはレチノール誘導体を定量した。結果としては、レチノールおよび酢酸レチノールは初期濃度の10%からおよそ2%まで減少したのに対し、NIKKOL レチノール H10は初期濃度と同じ10%を保った。この結果から、NIKKOL レチノール H10は光や熱などによる酸化に対して高い耐性を持つことが確認された。


 誘導体化による原料安定性の向上は皮膚に対する機能性とトレードオフになるケースがあるが、NIKKOL レチノール H10はレチノールと同様にシワ・エイジングに対する効果も認められている。プラセボジェルまたはNIKKOL レチノール H10を1%配合したジェルを用いた長期ヒト連用試験によりその効果を確認している(表1)。初期値および24週間連用後のシワグレードについて、NIKKOL レチノール H10を1%配合したジェルの場合には、2.9から2.8に有意に改善した。加えて、最大シワ平均深さや総粘弾性においても有意な改善があり、高いエイジングケア効果が認められている。

 また、従来のレチノールは生理活性効果が高い一方で、乾燥感の増加など望ましくない影響(レチノール反応)も懸念されているが、NIKKOL レチノール H10はヒト試験において角層水分量の増加や経皮水分蒸散量の低下が確認されており、保湿効果まで期待できる。なお、24週間の長期にわたる試験期間において、全参加者で レチノール反応などの肌トラブルの症状は認められなかった。


 NIKKOL レチノール H10の最新研究として、シワやたるみを引き起こす要因のひとつである「エラスチンの分解」に対しても効果を発揮することが確認されている。エラスチンは肌の弾力をつかさどる真皮弾性線維であり、老化によるエラスチンの産生減少、紫外線(UV)などの外的刺激によるエラスチン変性の進行は肌質感の低下につながることが知られている。摘出皮膚組織を用いた真皮弾性線維(ビクトリアブルー陽性線維)の評価試験において、NIKKOL レチノール H10は紫外線で誘導される真皮弾性線維の分解を抑制することが確認された(図2)

 「アフターコロナから、より高い効果を重視したスキンケア製品の重要性が一層高まる中、レチノールの需要はますます拡大している。レチノールを化粧品へ配合する際は、処方中での安定性や容器の工夫が必須であったが、NIKKOL レチノール H10は光や熱の影響を受けにくいため取り扱いが容易である。さらに、安定性とトレードオフすることなく、レチノールによるエイジングケア効果を併せ持つ。これらの強みを活かし、今後も積極的に提案を行っていく」(同社)

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