一丸ファルコス、機能性向上と環境配慮を両立した濃縮タイプが好調

週刊粧業 2024年7月1日号 30ページ

一丸ファルコス、機能性向上と環境配慮を両立した濃縮タイプが好調

 化粧品・健康食品分野で機能性原料の研究開発を行う一丸ファルコスは、SDGsやサステナビリティの観点を取り入れた新製品開発で、機能性成分の濃度を高めた濃縮(conc)タイプの開発を推進している。

 濃縮タイプは、極少量で機能性成分を高配合でき、高機能化を推進しやすくするだけでなく、スタンダード品よりコンパクトな容器になるため、プラスチックごみの削減や保管の省スペース化、輸送時のCO低減など環境負荷の低減にもつながる。

 昨年、濃縮タイプ第1弾として「バイオベネフィティconc〈アーチチョーク葉エキス〉」の販売を開始した。

 バイオベネフィティは、アーチチョーク葉から抽出したエキスで、新たに開発した「バイオベネフィティconc」は、その葉に含まれる機能性成分「シナロピクリン」の含量を10倍まで濃縮している。

 機能性成分・シナロピクリンには、肌老化の要因とされているNF-κBの活性を鎮静化し、色素沈着や光老化の抑制、毛穴目立ちの改善、シワ改善作用など肌老化に作用する様々な機能性が確認されている。

 同社は、バイオベネフィティconcの開発について、「発売から10年以上にわたり、当社の売上を牽引している人気の機能性原料の1つで、当社の原料データベースサイト(プロダクトガイド)でも年間を通じて閲覧数が特に多い製品でもある。もっと高濃度で配合したいという要望も多かった」と説明した。

 経済的・機能的なメリットに加え、環境的なメリットも付与できる高機能バイオベネフィティの提案により、化粧品の高付加価値化をサポートしていく。

 現在、他の複数の人気原料でも濃縮タイプの開発を検討しており、concタイプのシリーズ化を進めたいとしている。

 SDGs対応では、濃縮タイプの開発の他にも様々なことに取り組んでいる。廃棄ロスの削減に向けては、製品の品質保証期限を従来の2年から3年に延ばす技術開発も進めている。

 今後も機能性向上と環境配慮を両立させ、新規原料の開発や既存原料の価値向上を図っていく考えだ。

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