カンタンに言うと
TPCマーケティングリサーチは、2023年12月~2024年7月にかけて東南アジアの健康食品市場について調査を実施し、その結果を発表した。
2023年の東南アジア5カ国(タイ・マレーシア・インドネシア・ベトナム・シンガポール)の健康食品市場は、前年比1.9%増の7692億5000万円となった。
東南アジア5カ国では、高齢化の進展や生活習慣病有病者の増加などにより国民の健康意識が高まり、健康食品への需要が拡大していることから、健康食品市場は年々拡大を続けている。
国別にみると、タイが1976億円(構成比25.7%)でトップとなった。次いでマレーシアが1656億円(同21.5%)、インドネシアが1629億円(同21.2%)、ベトナムが1365億5000万円(同17.8%)、シンガポールが1066億円(同13.9%)となっている。
商品面では、健康意識の高まりにより、栄養素補給・免疫対策への引き合いが強くなっている中、「①生活習慣病・ダイエット」や「②美容・アンチエイジング」といった訴求の需要も拡大している。
①では、運動不足や不健康な食生活などの要因から、生活習慣病患者の増加が深刻化しており、タイやインドネシア、シンガポールを中心に、各社が同訴求を行う商品の販売に注力している。また、②では美意識の高い人が多いタイや、老化を防ぎ若さを保つことへの需要が大きいマレーシアなどで、商品が多く展開されている。
販売面では、各国でインターネット利用率が大きく伸びていることからオンラインチャネルが成長しており、マレーシアやインドネシア、シンガポールなどでは、ShopeeやLazada、Tokopediaといった外部ECサイトを中心に、需要が拡大している。また、近年はインターネットが普及していることから、FacebookやInstagram、TikTokなどのSNSを活用し、自社アピールに努める企業も増加している。
今後、東南アジア5カ国の健康食品市場は年平均成長率4.5%のペースで成長し、2030年には1兆497億円に達すると予測される。
高齢化の進展や生活習慣病患者の増加などにより国民の健康意識がさらに高まることで、今後も好調に推移していくとみられる。
この記事は粧業日報 2024年8月27日号 4ページ 掲載
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