shoichiは、国内余剰在庫の廃棄ゼロを目指し、アパレル・化粧品・食品メーカーを中心に在庫の買い取り、リサイクルを行っている。在庫処分における現状や同社の事業について話を伺った。
shoichiは、アパレル・化粧品・食品など、様々な法人の在庫処分のサポートを行っている。事業を始めた当初はリユースを中心としていたが、コロナ禍でリサイクルの需要が急増し、現在ではリサイクル事業をメインにしている。アパレルの在庫処分の割合が9割と最も多いが、昨今では化粧品の在庫処分に関する依頼が増加しているという。
同社のリサイクル事業の強みは、「ブランド毀損防止対策」「障がい者雇用との連携」にある。
製品をリサイクルする際に最も重要視されるのが「ブランド毀損防止」であり、元のブランドの価値やイメージを守ることが求められる。
同社では、ブランド毀損防止対策として、ブランドの識別情報が残らないようにブランドロゴの除去や製品の分解、匿名化など徹底した対策を実施しており、業界内でもそのような体制が高く評価されている。
化粧品のリサイクルにおいては、プラスチックやガラス、製品の中身もすべて分別する必要がある。特に、マニキュアやヘアスプレーなど取り扱いに注意が必要な製品もあるため、より適切な処理が求められる。
もう1つの強みである「障がい者雇用との連携」については、同社が運営している就労支援施設「やさしいあおぞら」を通じて、障がい者の就労機会という社会問題に貢献している。
同業他社の中でも障がい者雇用と連携している企業は多いものの、作業に対して明確な納期を設定していることが一般的である。これに対し、同社は納期を設定せず、労働者のペースに合わせた柔軟な就労支援を行っている。これは、他社ではあまり見られない独自の取り組みである。
「当社が、廃棄されていた商品をリサイクル資源として買い取ることにより、お客さまにとっては廃棄物の処理にかかるコストの削減につながるだけでなく、売上として利益になる。さらに、廃棄物を減らすことは二酸化炭素の排出削減などカーボンニュートラルにも貢献する。当社では環境負荷の低いトラックを導入するなど、環境対応にも積極的に取り組んでいる。リサイクルの依頼が増加している中、業務の機械化も予定しているが、人手を活かした作業とのバランスを考えながら導入を進めていきたいと考えている」(同社)
この記事は粧業日報 2024年9月6日号 4ページ 掲載
■花王、製品入庫からトラックへの積み込みまで完全自動化へ■アビームコンサルティング、コーセーの顧客体験変革の実現を支援■shoichi、障がい者支援と連携したリサイクル事業を推進■appcycle、青森発のアップサイクル企業が頭角■ファンケル、2024日本パッケージングコンテストで入賞
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