【BeautyTech(ビューティテック)】市場トレンド・企業動向・ニュースランキング

こちらのコーナーでは、「【BeautyTech】市場トレンド・企業動向・ニュースランキング」と題し、市場トレンドや参入各社の取り組みについてまとめています。

BeautyTech(ビューティテック)とは?

BeautyTech(ビューティテック)は、美容産業とテクノロジーの融合を指す言葉です。美容関連の製品やサービスに最新のIT技術を導入し、美容体験を向上させることを目指しています。


世界の美容と化粧品におけるAI市場規模は27億ドル

InsightAce Analyticの調査によると、世界の美容と化粧品におけるAI市場規模は2021年に27億ドル(4179億円)で、2030年には133億4000万ドル(2兆650億円)に達すると予測されています。

BeautyTech(ビューティテック)の市場トレンド

近年、化粧品業界においてもIT技術の導入が急速に進んでいます。具体例を見ていきましょう。

1. AI(人工知能)と機械学習

パーソナライズドスキンケア:AIを活用して、ユーザーの肌タイプや肌の状態を分析し、それに基づいて最適なスキンケア製品を提案するサービスが増えています。

製品開発:膨大なデータを分析することで、新しい成分や組み合わせの効果を予測し、効率的に新製品を開発することができます。

2. AR(拡張現実)技術

バーチャルメイクアップ:AR技術を利用して、スマートフォンやタブレットでバーチャルにメイクアップを試すことができるアプリが普及しています。これにより、実際に製品を使用する前に、自分に似合う色やスタイルを確認できます。

3. スマートデバイス

スマートミラー:リアルタイムで肌の状態を分析し、スキンケアのアドバイスを提供するスマートミラーが登場しています。

ウェアラブルデバイス:肌の状態や環境条件をモニタリングすることで、適切なケア方法を提案するウェアラブルデバイスも開発されています。

4. IoT(モノのインターネット)

スマートデバイスの連携:美容デバイスやスマートミラー、ウェアラブルデバイスなどがインターネットを通じて連携し、データを共有することで、よりパーソナライズされた美容体験が可能になります。

5. ビッグデータとアナリティクス

顧客の嗜好分析:顧客の購買履歴や行動データを分析することで、個々の嗜好に合わせたマーケティング戦略を展開できます。

市場トレンドの予測:ビッグデータを活用して市場のトレンドを予測し、迅速に新製品を市場に投入することが可能になります。

6. eコマースとデジタルマーケティング

オンライン販売:化粧品のオンライン販売が急速に拡大しており、AIを活用したチャットボットやカスタマーサポートが導入されています。

SNSマーケティング:インフルエンサーを活用したSNSでのプロモーションや、AIを使ったターゲティング広告が行われています。

まとめ

このように、化粧品業界はIT技術の導入により、顧客体験の向上、製品開発の効率化、マーケティングの高度化を図っています。

これにより、より多くの消費者にリーチし、個々のニーズに応えることができるようになっています。

BeautyTech(ビューティテック)の具体的事例


1.資生堂

PERSONAL BEAUTY WELNESS COMPANYとして、生涯を通じて1人ひとりの自分らしい健康美を実現する企業を目指す資生堂は2023年7月、DNA検査・カウンセリングサービス「Beauty DNA Program」の展開を開始しました。主な特徴は以下のとおりです。

遺伝子分析に基づく詳細なカウンセリング:シワやシミのできやすさ、できにくさなど、個人が生まれ持った肌の特徴や、血中での各種ビタミンの調整能力など、DNAの検査結果に基づいて、美容の専門知識を持ったパーソナルビューティーパートナー(以下 PBP)が化粧品のケアだけでなく、食事、睡眠、運動などの総合的なアドバイスを行います。

客観的健全性により安全・安心に利用可能:DNAは「個人情報」であり、取扱いに特に配慮しなければならいことを踏まえ、一般社団法人遺伝情報取扱協会(AGI)が運営する「遺伝情報適正取扱認定スタンダード(認定番号202307045(01))」を、化粧品業界で初めて取得しました。

長期にわたるエンゲージメント:デジタルを活用し、顧客がいつでも・どこでも・欲しい時に「テイラーメイドなオンリーワン体験(一人ひとりのニーズにあった美容体験)」を提供し、顧客の満足度向上と、長期にわたるエンゲージメントを深めていきます。


2.コーセー

コーセーは、東京工業大学 渡辺義浩研究室が保有する最先端の高速プロジェクションマッピング技術と、同社が開発した肌の反射特性から適切な色を投影できる色補正技術の2つのキー技術を組み合わせ、実際の顔の動きや表情の変化がある中でもリアルタイムにメイクを投影できるメイクシミュレーションシステムを共同開発しました。

3Dバーチャルメイクが楽しめる:コンセプトストア(Maison KOSÉ銀座)にて、カラー提案の新たなサービスとして展開しています。自分の肌に直接メイクを施しているかのような新感覚で、没入感のある3Dバーチャルメイクが楽しめます。

専門家が診断結果をもとに様々なアドバイスを提供:専門知識を持ったコーセーのビューティコンサルタントがその人に合ったパーソナルカラーの診断や、髪色や洋服、なりたい印象などに合わせてアイテムを提案します。


3.AppBrew

AppBrewは2023年11月、独自AIを活用したLIPSアプリ内で使用できる拡張機能「LIPS AI シリーズ」の第4弾として、スマートフォンの写真撮影だけで顔の輪郭やパーツの特徴(位置やバランスなど)をスコア化し、全9種あるスタイルから自分の顔スタイルが診断できる「顔スタイル診断」をリリースしました。

著名なコスメコンサルタントが監修:これまで4000人以上を診断し6年もの間満席が続く人気サロン「jewelblooming」を運営する、カラー&コスメコンサルタント・渡辺樹里氏が完全監修しています。

メイク方法やヘアスタイルも紹介:9種類の顔スタイルだけではなく個々人それぞれのパーツについても詳細な結果を解説します。顔の縦横比率・眉の位置・目の幅・鼻の幅・口の位置を診断し、それぞれのパーツをより引き立たせてくれるメイク法もあわせて紹介します。パーツごとの診断だけではなく、顔スタイルごとにマッチするヘアスタイルやファッションなど全身のアドバイスもしてくれます。

おすすめはこちら

【C&T・2024年7月号】BeautyTechの最新動向2024

コロナ禍が明け、リアル回帰の動きが急速に進む中で、化粧品業界においては単にモノを売る場所としてだけでなく、実際に商品やサービスを体験できる実店舗ならではの価値を前面に押し出し、先進的なデジタルテクノロジーを活用して新たな顧客体験を提供する取り組みが活発化している。今特集では、アイスタイルの矢野貴久子Beauty Tech.jp編集長に美容分野における注目のキーワードをもとに、Beauty Techの最新動向や今後の展望について話を伺ったほか、5社(資生堂、AppBrew、ユーグレナ、サティス製薬、AGC)の取り組みを紹介する。

【C&T・2023年7月号】BeautyTechの最新動向2023

モノが市場に満ち溢れ、純粋な商品の物質的・機能的価値だけでは差別化が図れなくなっている昨今では、消費行動が「モノ」から「コト」へとシフトし、サービスも含めた一連の顧客体験がより重視されている。成熟市場である化粧品業界でも同様に、化粧品を選ぶ楽しさを提供すべく、デジタルを活用した「顧客体験の向上」への取り組みが活発化している。本特集では、関連企業4社(資生堂、コーセー、ファーメンステーション、Novera)に話を伺った。

【C&T・2022年7月号】2022年 BeautyTechの最新動向

新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、化粧品業界では顧客の購買行動の変化や新たなニーズに迅速に対応すべく、デジタル技術を駆使した新たな購入体験の提供や非接触型の美容カウンセリング、顧客の意識変化を捉えた商品開発など、DX(デジタルトランスフォーメーション)による新たな価値創出に向けた動きが活発化している。今特集で取材協力を得た資生堂・コーセー・アイスタイル・AppBrew(アップブリュー)の4社では、いずれも「顧客体験のDX推進」で取り組みを進化させており、AI・IoTなどのデジタル技術を活用して一人ひとりにパーソナライズした美容体験の提供を進めている様子が窺えた。

【C&T・2021年7月号】BeautyTechの最新動向

コロナ禍で、化粧品業界では「ECシフト」「DX推進」「ビッグデータ・AI活用」の変革スピードが10年早まったとも言われている。EC市場が成長した今、仮にコロナ禍が収束しても、店舗売上は以前の水準には恐らく戻らず、実店舗を抱える事業者には減収しても黒字化するための構造改革(小売のDX化)が必要となっている。このように、ECの拡大とユーザーコミュニケーションのデジタルシフトが加速しているのに伴い、従来のマスメディアを基軸とする広告や販促を、デジタルマーケティングに転換する動きが大手化粧品メーカーを中心に活発化している。

【C&T・2020年7月号】BeautyTechの最新動向

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、日本国内では「非接触」や「非対面」への対応策として、リモート化やデジタル化の動きが一気に加速している。これに伴い、対面重視とされる化粧品業界においては、オンライン上で店頭での接客と同じようなリッチな体験を消費者へいかに提供できるかが大きな課題となっており、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)などの最新テクノロジーを活用した新たな美容製品・サービス「BeautyTech」への注目がますます高まっている。今特集では、アイスタイルの矢野貴久子BeautyTech.jp編集長にBeautyTechの最新動向や今後の展望について話を伺うとともに、同分野における有力企業5社(パーフェクト・ドリコス・Novera・コードミー・AppBrew)のサービスを紹介する。

【C&T・2019年7月号】BeautyTechの最新動向

AI(人工知能)やAR(仮想現実)、IoT(モノのインターネット)などのテクノロジーは飛躍的な進化を遂げ、スマートフォンやタブレット端末などのデジタルツールを介して今や一般消費者にも身近な存在になっている。これに伴い、化粧品業界では現在、最先端のテクノロジーが生み出す新たな美容製品・サービス「BeautyTech」が大きなトレンドとなっており、パーソナライズやスモールマス、One to Oneといったニーズに対応するべく、大手メーカーを中心にBeautyTechへの取り組みが活発化している。

週刊粧業オンライン ニュース関連記事 ランキング

週刊粧業オンライン ニュース関連記事ランキングでは、日間、週間、月間のニュース記事ランキングを掲載しています。

ホーム > まとめニュース > 【BeautyTech(ビューティテック)】市場トレンド・企業動向・ニュースランキング

ライブラリ・無料
ダウンロードコーナー

刊行物紹介

定期購読はこちら
株式会社ミンテルジャパン
お仕事紹介ナビ

アクセスランキング

  • 日間
  • 週間
  • 月間
PDF版 ダウンロード販売
化粧品マーケティング情報
調査レポート
株式会社矢野経済研究所
pagetop