椿化工(本社=埼玉)は、「自社工場生産のこだわり」をスローガンに、ボトル成型から印刷といった加飾まで一貫して生産している。
印刷自動機、ホットスタンプ、ラベル機、シュリンクトンネルなどを保有し、容器にかかわるすべての工程を自社工場内で行っているため、小ロットから大量ロットまで対応できる。
「自社工場での一貫生産だと細かい部分まで目が届く。依頼した製品が『誰が・どのように・どこで』など、自分の目で確認できる点で、お客様に安心感を提供できているのでは。また、飾色は外部に委託する容器メーカーもあるが、当社ではすべて一貫して行っているので差別化も図れる」(藤村太郎社長)
2008年のリーマンショックから日本市場にもデフレが波及し、化粧品メーカーやOEMメーカーは、コストや納期問題といった負担軽減のため、容器製造メーカーと直接商談を行う傾向が増えてきているという。現在同社では、ダイレクトブロー機9台と延伸ブロー機5台の成型機を24時間体制で稼働させ、こうした変化に対応している。
また、4年前に石油化学製品原料のナフサが高騰したことで、多くのブロー成型業者が痛手を被る中、同社は「15年間売上、利益ともに前年を割ることなく推移しており、2010年は過去最高益を更新している」(藤村氏)という。
また、2011年5月に横浜で開催される「化粧品産業技術展 CITE JAPAN 2011」に出展を予定している。今回の展示会では、ガラス容器に代わる「二軸延伸ブローPET容器」を中心に多数展示する。
同容器は、ガラス容器と比較しても、その高級感を損なうことなく高い強度を保っている。肉厚、肉薄の両方に対応した成型が可能で、寸法精度もダイレクトブローより精密である。また、ガラス容器ではないため、輸送時に破損する恐れが低く、素材の軽さから、持ち運びしやすいという。
二軸延伸ブローは金型が高額であることが難点だが、同社では収益を金型製作に投資しているため、今回も20種類以上の新しい金型の提案が可能だという。展示会では、他にも300種類以上の容器のラインアップを用意している。
「2011年も全従業員一丸となってブロー成型業界、化粧品業界に新風を巻き起こすような取り組みをしていく」(藤村氏)
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この記事は週刊粧業 掲載
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