昨年3月11日の東日本大震災では、広域にわたり、我々がかつて経験したことのない甚大な被害が及んだ。被災した方々に改めて心よりお見舞いを申し上げるとともに、被災地の1日も早い復旧・復興を心よりお祈り申し上げる。
昨年は11~12月の店頭活性化対策により、第3四半期は回復基調を生み出すことが出来た。堅調なセルフ領域に加え、カウンセリング領域でも手応えを感じている。
本年は構造改革の最終年度であり、2013年度以降の新たな成長ステージへ向けて極めて重要な年である。
本年の戦略骨子は4つある。1つはグローバルで通用する「強いブランドづくり」の推進である。ブランド統廃合による投資の集中化を進め、展開地域や国の特性に合わせたブランド展開・育成を図っていく。昨年12月に主力6ブランドの「ブランドマネージャー」を任命した。今後はグローバルを視野に入れたブランド価値向上に向けたマネジメントを強力に推進していく。
2つめは国内営業戦略の改革だ。昨年10月に流通別営業対応力のさらなる強化、エリアにおけるマーケティング機能の強化、組織のシンプル化、および経営資源の最適配置、花王CMKとの営業シナジーの発現促進を目的に販社および地区営業組織の改編を行った。エリアに密着したマーケティングや教育施策に磨きがかかり、販売活動がさらに強化されることを期待している。
次が海外事業での確実な成長であり、中国・アジア・欧米を核としたグローバルでの成長を確実なものとしていかなくてはならない。昨年は中国市場で新たに専門店流通に進出したほか、アジア市場においては、マレーシアに販売子会社を設立した。欧米では、花王グループ・欧米ビューティケア事業の一体運営がこの1月からスタートする。花王グループ・各国各子会社の持つ経営資源をより有効かつ効率的に活用することで、より競争力のある事業基盤を確立していきたい。
最後があらたな成長領域への展開である。新規事業の開発は、今後成長戦略を構築していくうえで欠くことの出来ない重要なテーマであり、Webを活用した新たなビジネスモデルなども視野に入れながら、現在様々な角度から検討を進めている。
本年は「磨いて伸ばす」をキーワードに、「ブランド・商品」はもとより、「人」も「組織」にも磨きをかけて、持続的な利益ある成長を目指す。全部門が垣根を取り払い、固定観念に捉われることなく、皆の力を結集して「新たな価値の創出」に取り組んでほしい。「消費者起点」「現場主義」を全ての行動の基本に置き、「お客様の今あるニーズは何か」「気づかれない潜在ニーズは何か」を活動の始点に、勇敢に挑戦していこう。
この記事は週刊粧業 掲載
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