ポーラ、疲労回復効果を高める高麗人参エキスの独自の抽出方法を発見

ポーラ、疲労回復効果を高める高麗人参エキスの独自の抽出方法を発見

 ポーラ・オルビスグループのポーラ化成工業(本社:東京都品川区、岩﨑泰夫社長)は、高麗人参の疲労回復効果を高める独自抽出方法を見出した。

 同社では高麗人参(ウコギ科のオタネニンジン)を蒸してから乾燥させた紅参(コウジン)の肉体疲労回復効果に注目し、より効果実感の高いエキス抽出法の検討を進めてきた。紅参を加圧して抽出するエキス(以下 紅参加圧抽出物)は、加圧をせずに抽出して得たエキスにくらべ、肩や首周辺をすばやく温めることが可能となり、疲労の軽減を感じやすくなることが明らかになった。

 この紅参加圧抽出物を配合したドリンク(紅参:乾燥物換算 1000mg、マカおよびビタミンB1などを配合)の飲用試験を実施したところ、飲用20分後に飲用前と比べて肩部分の筋硬度の低下や集中力の向上など、現代女性が感じる肩から首にかけての疲労症状を全般的に軽減する効果があることが明らかになった。

 肩の凝りと集中力の低下に共通する因子を検討したところ、COX-2誘導により肩部分で痛みの発生に関与するプロスタグランジンE2が、さらに集中力の持続を阻害するプロスタグランジンD2が生成することが一因として想定された。同社では、紅参加圧抽出物において、両者に共通する因子であるCOX-2の活性を阻害する作用を既に見出していることから、紅参加圧抽出物を配合したドリンクには、血流促進により肩部分を温める効果だけでなく、COX-2阻害作用により、肩部分の炎症抑制や痛みを軽減させる効果、集中力を持続させる効果があるものと考えている。今後より詳細な研究を行う予定だ。

 これらのことから紅参加圧抽出物は、従来の紅参抽出物にくらべて、現代女性の肩から首にかけての疲労症状を素早く改善することに役立つことが示唆される。

 紅参の抽出方法の違いによる肩と首周辺の体表温度上昇効果については、2012年3月28日から31日に札幌にて開催される日本薬学会第132年会にて発表予定。さらに本研究で有用性が明らかになった紅参加圧抽出物は2012年5月にポーラより発売される健康ドリンクに活用される。

【試験方法及び結果】

 紅参の加圧抽出エキスはミキサーで粉砕した紅参に 10倍量の水を加え、高温・高圧下(121℃、2気圧)で抽出処理したものを用いた。比較対象として、同じ紅参に10倍量の水を加えて還流抽出した水抽出エキスと、10倍量の50%エタノールにて 12時間冷浸抽出した 50%エタノール抽出エキスを用いた。

 飲用試験は温度・湿度を一定に保った測定室にて行った。被験者は測定室に入室後、安静座位にて馴化したのち、各エキスを飲用し、手およびデコルテ部分の体表温度をサーモグラフィーにて測定した。その結果、水抽出エキス(データ省略)、50%エタノール抽出エキスに比べ、加圧抽出エキス飲用時に体表温度が上昇することがわかった。

【本件に関する問い合わせ先】

(株)ポーラ・オルビスホールディングス 広報・IR室 菊池
Tel 03-3563-5540/Fax 03-3563-5543

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