香栄興業の前期(2012年3月期)は、化粧品市場が景気や震災などの影響を受け苦戦する中、感触改良基材・油剤の動きが堅調で、香料やオーガニック原料、健康食品原料などが好調に推移し、トータルで前年を上回る実績を確保した。
主力品目の1つであるホホバ油については、2年前に主要原産国アルゼンチンを襲った記録的な冷害の影響を懸念する向きもあったが、危機管理の一環として取り組んできた在庫量の積み増しや、現地の情報がいち早く得られる体制づくりが奏功し、需給バランスが崩れる中にあって欠品を起こすことなく安定供給を続け、コストアップも必要最小限にとどめた。
「安定供給体制をより盤石にするため、さらなる購入ルートの確保に取り組むとともに、将来的に重点原料については国内での栽培も視野に入れている」(八巻英彦専務)
今年度は、新たな取り組みとして、近年にわかに脚光を浴びつつある肌の「糖化」に着目し、AGEs生成抑制効果を有する植物エキスのスクリーニングを強化している。
「安全性が実証されている既存原料で新たな機能を求めるニーズが高まっている傾向を捉え、糖化を予防できる植物エキスの探索を行ったところ、パシャンベ、ザクロ花、ローズアップルリーフ、ホホバリーフ、チャ花、アズキ、クワ葉に極めて高い抗糖化作用がみられた。今後も様々な切り口で新たな機能を探索していきたい」(鈴木琢也技術部研究開発グループ・セクションマネージャー)
一方、オーガニック系の機能性原料でも新たな取り組みを進めている。直近では、オーガニック抽出エキスのラインナップとして、新たにバラの抽出液等を追加。差別化を求めるニーズに対処している。今後も切り口の多様化に努めていく。
同社では、化粧品・健康食品を追い上げ成長が著しい香料を、昨今の香りニーズを追い風に拡大していき、将来的には3事業を同規模までもっていきたい考えだ。
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この記事は週刊粧業 2012年6月4日号 11ページ 掲載
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