日本メナード化粧品は、2003年より取り組んでいる「幹細胞」研究の成果を、6月開催の2つの学会で発表した。
6月13~16日に開催された国際幹細胞学会第10回年次大会では、皮膚のメラノサイトの幹細胞である色素幹細胞の研究成果を2題発表した。
同社は、色素幹細胞からメラノサイトに分化する過程について研究に取り組み、その分化を制御する因子の特定に成功したことを報告した。また、紫外線の影響により、メラニン生成能力が分化の過程で高まることを発見するとともに、独自開発の「アラリア海藻エキス」が、分化の過程でメラニン生成を抑制する作用が確認されたことについて発表。合わせて、幹細胞を用いたスクリーニング技術の開発と美容への応用を紹介した。
同12~14日の第11回日本再生医療学会総会では、体内に摂取するアミノ酸が幹細胞にどのような作用を示すかという研究から、アミノ酸の組合せによって、幹細胞の維持や分化が変化することが示唆されたことを発表した。食物が幹細胞の分化に与える影響や必要なアミノ酸の解明により、生活者の健康増進が期待される。
また、国から特定疾患に指定され、皮膚の難病と言われる「強皮症」に関する線維化のメカニズムに関する幹細胞研究を報告。今回の研究は、まだ明らかになっていない強皮症のメカニズム解明につながる成果と言える。
同社は、以上の幹細胞研究の成果が、シミ発生の根本原因の解明や、メラニンが関わる疾患治療などにつながると考察しており、今後は化粧品や健康食品の開発だけでなく、再生治療への応用も視野に入れた研究を進め、社会貢献につなげていく。
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この記事は訪販ジャーナル 掲載
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