宮本・宮本浩樹常務、進化するPET容器に高まる期待

週刊粧業 2013年10月28日号 87ページ

カンタンに言うと

宮本・宮本浩樹常務、進化するPET容器に高まる期待

 当社(宮本の容器カタログはこちら)は1952年に宮本硝子として創業、主にガラス容器を手掛けていました。今でこそ化粧品容器はプラスチック製が多くなっているものの、90年代後半まではガラス容器が主流でした。当時はPET容器の成型技術が発達しおらず、容器は丸型が定番です。

 蒸着技術の発達は容器業界にとって大きな出来事でした。容器の形状や加工、材質がどんどん進歩してデザインも豊かになっていきました。

 インターネットが普及して通販ブランドの利用が多くなると、輸送時に割れにくいプラスチック容器の需要が増え、中でも透明度の高いPET容器の需要が高まっていきます。

 当社では樹脂のプリフォームを何種類か持っており、お客様には外側の金型のみご用意いただくことでコストを抑えながら耐久性の高い容器を提供しています。

 90年代後半と比べると現在の容器は形状、デザイン、加工いずれも華やかになりました。アールをつけたものやしずく型など、ひねりを効かせたものが目立ちます。化粧品業界への参入が増えて競争が激しくなったこともあり、目につく形状やデザインを求めるようになったのでしょう。

 キャップもバリエーションが増えました。以前はシングルパーツのシンプルなものが中心でしたが、近年は3パーツで高級感を出すものが増えています。

 ガラス容器は6~7年前に規格のバリエーションが増え、在庫から3000本単位で発注を受け、加工業者が塗装をするようになりました。

 去る5月に開催された「CITE Japan2013」では黒系のシンプルなブースが好評で、前回よりスペースを倍増して6コマとし、国産品とTOLY KOREA社の容器を展示しました。インジェクションブローのPET容器は厚みがあり、安定性があることから引き合いが増えています。近年はラベルやシュリンクフィルムの技術が発達し、印刷では対応できなかった複雑な形状の容器にも加飾できるようになりました。

 TOLY KOREA社の容器は昨年の3倍の受注が来ています。なめらかなカーブを描いたトニック用PET容器「LETO」も好評です。

 容器は技術的にまだ進歩する余地はあると思います。容器の中長期的な課題としてはリサイクルの問題があげられるでしょう。エコ容器は高価なのであまり動きはよくありませんが、原油価格が上がっているので避けて通れません。使用するプラスチック量を減らしても衝撃時の力が分散される構造にすれば割れにくくなります。インジェクションブローなら薄くても割れにくいものがつくれそうです。

 今期(2013年11月期)はPET容器やTOLY KOREA社の容器が好調で、前期比20%の増収を見込んでいます。

 現在、新型容器の開発を進めており、TOLY KOREA社の容器にも新型が加わります。増加する受注を踏まえて来期は検査ラインを倍増します。これに伴い倉庫設備も充実させる計画です。

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