ケイズ・角嶋一幸社長、顧客の利益への貢献と並行し地元活性化も視野に

週刊粧業 2013年10月28日号 86ページ

カンタンに言うと

ケイズ・角嶋一幸社長、顧客の利益への貢献と並行し地元活性化も視野に

 化粧品容器には付加価値があります。われわれ事業者は、その付加価値の中で生きています。

 食品や医薬品の容器にもそれぞれに付加価値があります。それに対し、化粧品容器の場合は外観や加飾など沢山の手間がかかるという意味で、そこに「技」が介在します。技があるから、私ども容器屋が生きて来られたのだと思っています。

 最近は容器を考えるうえで、エコを避けて通ることができなくなってきました。仮に、業界の主流がエコ=「従来のように手を掛けない」といった方向へ走った場合、工程の簡素化や材料削減のほか色をつけないなど、夢のない世界へ突入することも考えられます。

 手前勝手を承知でいうと、そんな方向へは行ってほしくないと願います。

 一方で、地球環境を考えたら現状のままでいいはずがありません。この狭間に闘いがあります。

 ここで一つ明らかにいえることは、化粧品には夢があって、夢によって女性の満足があり、その満足から得られる「美」があるということです。

 その満足は使った時の喜びであるほか、持つことの満足でもあると思います。生活の1シーンに例えたら、バッグに綺麗なコンパクトが1つ入っているだけで、部屋を飾り付けたような満足感があるかもしれない。

 現在のところ、環境負荷軽減と満足感の創出という狭間で、「進むべきはこう」という明確な答え持っている化粧品事業者は少ないと思います。

 そうやって進むべき道を模索するお客様の横に、当社はコンシェルジュとして着いていられることが一番の理想です。

 世の中はどこにでも情報が飛び交っていますが、どれが信頼できるのかを見極めることは簡単ではありません。そこで迷ったお客様を、当社がプロの立場から「そこは……」と情報を提供したいし、提供できる会社でありたいと考えています。

 当社(ケイズの容器カタログはこちら)は問屋という役割であることから、自社の商品に固執せず、いろいろな容器の長所と短所に触れることができます。そうして養った眼力を活かすことでコンシェルジュを目指しています。

 ただ、容器の問屋がどこまで存在を認めてもらえるものか、時に不安になることもあります。

 ある先進国では、店頭に同じような容器の化粧品やヘアケア製品ばかりが並んでいます。そうなったら問屋の提案力が不要になってしまいます。

 日本は決してそうならないと信じています。きめ細かい美と夢を追求する生活文化が、日本の根本からなくなることはないと確信しています。

 話は変わりますが、地元の石川県は2015年に待望の北陸新幹線が開通します。石川県活性化プロジェクトでは外せない存在の新幹線開通を契機に、当社は地域の盛り上げに大いに係わって地元へ恩返しをしたい考えがあります。

 石川県に化粧品製造会社は2社しかありません。化粧品を通じ、石川県をどう盛り上げるかを考えています。

 幸い、有力なパートナーになってくれそうな県内企業と接点が生まれました。この老舗大手さんは石川県の豊富な海洋資源や、独自に取り組む地場野菜の生産を通じ化粧品の原材料を作りたいという夢を描いています。本気ぶりの証明として、しっかりとした研究室を構えています。まだ具体化は先の話ですが、非常に可能性を感じます。

 こうした新しい芽に取り組むことで、この10月で創業15周年を迎えた当社は、次の節目20周年に向けて前進します。

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