プロテックス・ジャパン・酒井良明CEO、美容室、メーカー勤務経て化粧品OEMビジネスの道へ

C&T 2015年3月16日号 72ページ

カンタンに言うと

プロテックス・ジャパン・酒井良明CEO、美容室、メーカー勤務経て化粧品OEMビジネスの道へ
 酒井良明社長は、美容師として社会人のキャリアをスタートし、ヘアケアメーカーとスキンケアメーカーに勤務した後、1998年1月にヘアケア製品を中心に化粧品・医薬部外品のOEM事業を展開する「プロテックス・ジャパン」を設立した。

 2002年10月には、サロン専売・業務用ヘアケア製品の研究開発・製造販売を手がける「ハホニコ」を設立し、2014年12月期の年商はグループ全体で40億円にのぼる。

 プロテックス・ジャパンでは来年6月、約3億円を投じて化粧品原料製造をメインとする新工場を稼働し、原料加工・製造・製品化までを一貫して行う6次産業化を目指していく。

 酒井氏にこれまでの歩みと新工場の概要、そして今後の抱負について話を伺った。(加藤(之))

美容師としてキャリアをスタート
皮膚が弱い人のための製品づくりを決意

 ――まずは、プロテックス・ジャパンを設立されるまでの経歴についてお聞かせください。

 酒井 高校を卒業後、通信制の学校で美容師免許を取得し、18歳から25歳まで美容サロンに勤務していた。
 美容師時代、プロユースのシャンプーを使っても頭皮にかゆみや荒れを感じる皮膚の弱いお客様がいらっしゃった。わからないことがあると、何でもとことん追求するタイプの性格なので、当時サロンで取引していたメーカーに「なぜ、皮膚の弱い方でも使える低刺激のものがプロ用のシャンプーにないのか」と質問をしたが、全く相手にされなかった。挙げ句の果てに「あまり勉強し過ぎないほうがいい。商品について勉強すればするほど、お客さんに自信を持って商品が売れなくなる」と言われる始末だった。

 この時、「この人達の商品はもう扱いたくない」と心の底から思ったのと同時に、「自分の手で皮膚の弱い方に対応するヘアケア製品を作りたい」という気持ちが芽生えた。

 懇意にしていたスキンケアメーカーのある社長さんにいろいろと相談に乗ってもらうようになったのが20歳の時で、美容師として働く傍ら、成分や製造・処方といったケミカルの分野を一から猛勉強した。

 25歳になって美容サロンを退職し、ヘアケアメーカーに就職した。当時の美容業界では、縮毛矯正に関するノウハウがまだ確立されていなかった。そのため、商品の開発だけにとどまらず、全国各地の美容サロンに出向いて縮毛矯正とそれに付随するトリートメントメニューの講習活動に携わっていた。

 28歳の時、先ほど話に出たスキンケアメーカーの社長から「うちでヘアケア部門を新設するから来て欲しい」と声を掛けてもらい、お世話になることになった。

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