【追跡】専門家に聞く、ダイエットだけでない「酵素」の魅力

カンタンに言うと

【追跡】専門家に聞く、ダイエットだけでない「酵素」の魅力
 美容・ダイエット食品として注目を浴びる酵素・酵母食品市場は、現在右肩上がりで拡大し続け、450億円規模とされている。

 エステティックサロンなどの対面販売が主だったが、近年は通販ルートやドラッグストアでも手に入るようになった。酵素は、動植物の体内に存在し、様々な生体活動を行うために必要な、生命維持に欠かせない栄養素の1つとされている。

 1946年にアメリカのエドワード・ハウエル博士が専門書を発行し、1985年に一般著書として「酵素栄養学」を出版したことがきっかけで酵素が広く一般に認知されるようになった。

 酵素を大きく分けると、代謝酵素、消化酵素、食物酵素があり、そのうち人間の体内でつくられる代謝酵素と消化酵素は、一生のうちに一定の量しかつくられず、年齢を重ねるごとに減少していくという。

 そこで、体外から食物酵素を摂取することで、体内の酵素を温存し健康につながると考えられており、「酵素ドリンク」ブームの火付け役となったファスティング(短期断食)のサポートだけでなく、最近はインナービューティを訴求する面からも注目を集めている。

 酵素の働きと近年の「酵素ドリンク」の背景について、日本酵素・水素医療美容学会(JEHMB)の佐々木広行副理事長に話を伺った。

ファスティングの指導者増がブームを後押し
その真の目的は「細胞を綺麗にすること」

 ――「酵素ドリンク」を中心とした酵素食品市場の成長が続いていますが、酵素とはそもそもどんな役割を果たすのですか。

 佐々木 エステティック市場は、矢野経済研究所によると4000億円の規模があり、微増で推移しているが、相変わらずエステ業界は厳しい状況にあることは変わりがない。現在、仕事帰りにエステティックサロンやフィットネスジムに通うOLが増えている一方で、現代人の食生活の乱れも問題視されている。どんなにエステティックサロンで施術を受け、高級化粧品でお手入れをしても毎日暴飲暴食を重ねていれば綺麗にはならない。 

 体内でつくり出される酵素には代謝酵素と消化酵素があり、加齢とともにつくられる量が減少し、その働きも低下していく。そのため食品から食物酵素を摂り入れることが必要だが、酵素は熱に弱く、48℃以上で過熱するとなくなってしまうという弱点がある。代謝酵素が不足すると十分な働きができず、消化酵素を使いすぎるという悪循環が生まれ、老廃物が蓄積して結果的に太りやすくなる。これを防ぐためには外部から酵素を摂り入れ、代謝酵素がしっかりと働くように整えなければならない。

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