コスメトロジー研究振興財団、第27回表彰・贈呈式を開催

粧業日報 2016年11月30日号 4ページ

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コスメトロジー研究振興財団、第27回表彰・贈呈式を開催
 コーセーが社会貢献活動の一つとして支援を行っている公益財団法人コスメトロジー研究振興財団(小林保清理事長)は11月22日、「第27回表彰・贈呈式」をステーションコンファレンス東京にて開催した。

 同財団は、コスメトロジー(化粧品学)に関する調査研究に対する助成を行うことにより、美しく豊かな生活の実現に寄与することを目的に1990年にコーセーの創業者である小林孝三郎氏により設立されて以降、関連分野の第一人者の選考委員による審査を行い、優れた課題を表彰、研究助成を行っている。

 第27回目となる今年度は、全国の主要大学、公的研究機関などからの104件の応募に対して厳正な審査を行い、特に優れた化粧品関連の研究課題32件の表彰を行った。また、国際交流助成2件、学術集会支援助成2件も行っている。

 表彰・贈呈式で小林理事長は、「当財団は、コーセーを創業した小林孝三郎、2代目理事長の小林禮次郎が皮膚科学や物理化学に加え、真理や感性、文化に及ぶ学際的な幅広い研究の集約が必要と考え、平成2年に設立、平成23年10月に現在の公益財団となった。研究助成が始まって27回目を迎えるが、この間、応募総数は通算で2200件、助成件数も600件を超え、助成金総額は7億円を突破した。近年の状況としては、応募数が毎年約100件、助成件数が30件、助成金が2800万円とほぼ安定した活動で推移している。今年度は助成金を3000万円に増額した。さらに本日の理事会で来年度の助成金を4000万円に増額することが決定されたが、今後も安定した活動を継続していく。最近は高齢化、国際化などの社会背景を見据えたテーマや先端的な技術の開発が目立っており、当助成事業がこうした化粧品産業の発展と人間の美しさ、豊かさに貢献できればこれほど嬉しいことはない」と挨拶した。

 選考委員を代表して二木鋭雄氏(東京大学名誉教授)は、「多数の応募の中から、独創性や発展性、実用の可能性、コスメトロジーへの波及性といった視点で採点のうえ、コスメトロジーの将来発展に期待できるユニークな課題との視点から選考委員会での慎重な審議を経て候補者を選定した。研究の質的内容も高度かつ多岐にわたる中、領域を跨いだ研究も多くなり、選考も年々難しくなっている。受賞された先生方の研究が立派な成果を得られることを期待する」と述べた。

 表彰・贈呈式後には、東京藝術大学美術学部 助教の宮永美知代氏による記念講演「顔‐その魅力の内側 美術解剖学的視点から」が行われた。
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