日本バリアフリー 江藤氏に聞く、創業目的からのスピンアウトで頓挫も

C&T 2017年3月15日号 74ページ

カンタンに言うと

日本バリアフリー 江藤氏に聞く、創業目的からのスピンアウトで頓挫も
 人や団体が何かの目標へ向かって突き進んで行く過程で、予測し得なかったアクシデントで進路を断たれてしまうケースは少なくない。

 ただ、中には「災い転じて――」に似た流れで生まれた善後策に、当初とは違った光明が見え隠れした時、情熱さえ失っていなければ消費していなかった推進力で「行ってみるか」と勇める場合もあるだろう。

 日本バリアフリーは社名が示すとおり、1996年の設立当初はシステムで高齢者の生活に貢献したい企業だった。ところが、民業圧迫といえそうな外的な力に羽をもがれ、現在は化粧品や食品の原料メーカーとして台頭してきた。

 「強運だった」で片付けてしまうにはあまりに希有な同社の21年間を江藤忠士社長に聞いた。

約50社が集って資本金20億円超体制を構築
独自システムの高齢者支援事業が船出間近に

 ――社名に「バリアフリー」と掲げる貴社が、意外性の化粧品ビジネスを軌道に乗せています。

 江藤 当社は1996年に電波メディアの企業と一緒に作った。立ち上げの資本金は当時コンサルティングファームに在籍していた私が出し、他の2名はメディア企業から来ていた。

 このメディア企業の関連会社が、今では当たり前になった新幹線の車輌内で流すニュースのテロップや、またタクシー内で見る文字放送の技術を活かして一人住まいの高齢者の安否確認ができるシステムを生み出した。開発の輪には、デジタル機器の大手も加わっていた。

 まずは千代田区在住の高齢者から利用をスタートすることになり、デバイスも決まり、放送内容は「○○さん、今日も起きましたか」または「ご飯を食べましたか」といった安否確認を目的とした内容から、音楽や情報配信ができる用途もまとまった。

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