資生堂ジャパン・堀井氏、ブランドマーケティングについて講演

粧業日報 2018年2月26日号 2ページ

カンタンに言うと

  • 資生堂では、「ブランドマーケティング」を実践していくうえで、商品とサービスの機能の先にある「エンドベネフィット」にこだわっている。
  • しかしながら、どんなに素晴らしい「エンドベネフィット」を提供してもうまくいかないケースがある。
  • 講演では、「ブランド」とは何かということを掘り下げて、そのマネジメントの考え方について言及している。
  • 最後に、堀井氏は「マーケティングの究極の状態」について言及している。
資生堂ジャパン・堀井氏、ブランドマーケティングについて講演
 資生堂ジャパンでメークアップブランドのマーケティング責任者を務める堀井治伸氏は、第8回化粧品開発展の特別講演に登壇し、「資生堂のブランドマーケティング」をテーマに、主力メークアップブランド「マキアージュ」の変遷を振り返りつつ、消費者の心を掴む化粧品づくりについて解説した。

「マキアージュ」の進化の経緯を振り返る

 資生堂の主力メークアップブランド「マキアージュ」は、ポイントメークアップブランドの「ピエヌ」と、ベースメークアップブランドの「プラウディア」を統合して立ち上げたトータルメークアップブランドで、発売当時は「大人の女性のための上質さや自分らしい美しさ(My Precious)」を表現し、4名の女優を使ったマルチタレントプロモーションを展開することで一世を風靡。2万GRPのTVCMと100誌の雑誌広告からなる年間40億円の宣伝費投入に加え、初年度売上500億円というメガブランド戦略も相俟って大きな反響を呼んだ。

 2009年には、ブランド立ち上げ時の勢いの回復を目指し、全体の雰囲気をリアルな世界からモードな世界に振るイノベーションを行い、理想の顔立ちと「美の黄金バランス」を実現できるメークアップブランドへとリニューアルした。

 さらに2014年には、ターゲット女性が求めるほのかな艶と大人の色っぽさを持つ女性を「レディ」と定義し、その理想像に向けて美しく輝く女性を応援するブランドへと進化を図った。

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