日本歯磨工業会、歯と口の健康を通じ健康寿命延伸に貢献

週刊粧業 2019年1月1日号 17ページ

日本歯磨工業会、歯と口の健康を通じ健康寿命延伸に貢献
 歯磨剤市場は堅調に推移しており、11年連続で前年を上回り、2017年度は前年比103%で過去最高となる1351億円の出荷金額を記録しました。2018年度の上期も継続した成長を遂げており、その他カテゴリーを含むオーラルケア市場全体も活発な状況が続いています。

 この状況には様々な背景が考えられますが、健康日本21に代表される国の施策の充実、歯科医や歯科衛生士を中心としたプロフェッショナルによるオーラルケアの重要性の啓発、また、将来の自分や家族の健康に対する身近な取り組みとして、お口の状態やライフステージごとのニーズに合ったオーラルケア製品を選ぶというセルフケア意識の高まりがあると考えられます。

 そして、会員各社がこれに応えるべく、研究開発やマーケティング活動に努めたことがこの市場成長の要因であり、そこには関係行政、関係団体、賛助会員の皆様の多大なるご支援があったからこそと、改めて感謝申し上げる次第です。

 特に、昨年は、関係行政、団体のみなさまとの協力により、中国、タイ、マレーシアをはじめとしたアジアの行政、歯科医療関係者との情報交換会の運営に参加し相互の交流に努めました。このような情報交換を今後も継続し、アジアの歯磨市場の活性化に結びつけていきたいと考えております。

 ところで、2016年の日本人の平均寿命は、男性が80.98歳、女性は87.14歳と、いずれも過去最高を更新し、日本は世界トップクラスの長寿国となっています。しかし、平均寿命と健康寿命を比較しますと、その差は男性が8.84年、女性が12.35年となっており、その差は縮まる傾向にあるものの依然として大きいのが現状です。

 健康寿命を延ばし、健康長寿社会をつくることは国の課題でもあります。特に、「歯と口腔の健康」においては、子供から大人までの全世代にわたり、う蝕予防や歯周病予防などの口腔衛生意識を一層高め、日常生活の中に浸透させていくことが重要であり、これらを進めることは、現在、そして将来の生活習慣病等の全身疾患の予防に繋がり、国民の健康増進・健康寿命の延伸に貢献することになると考えます。

 日本歯磨工業会は、このような国民の皆様の健康意識の高まりをふまえ、昨年、「歯と口の健康を通じて、人々の快適な生活の実現と健康寿命の延伸に貢献する」を使命として明文化いたしました。本年もこの使命を果たすべく、積極的な活動に取り組んでまいります。
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