三洋化学工業、協働により一貫生産体制を整備

週刊粧業 2019年10月21日号 39ページ

三洋化学工業、協働により一貫生産体制を整備
 大阪を拠点に展開する三洋化学工業は、今年9月に子会社9Times(和歌山県橋本市)の工場で一貫生産体制を整え、生産力の向上を図っている。

 井上厚弘代表取締役に下期の取り組みを伺った。

 ――現況について教えてください。

 井上 昨年3月に設立した9Timsの生産が軌道に乗った段階にある。成形機の充実や70名近くにのぼる順調な雇用状況が奏功した。

 今後教育体制に注力し、24時間稼働をはじめとする生産力の増強を目指していく。

 さらに、今年9月には工場内にOEMメーカーであるシーエスラボの橋本工場を開設する。双方のノウハウを活かし、アセンブルや内容物の提案まで一貫生産が可能となる環境を整えた。

 シーエスラボは関東を中心に展開しているため、災害時のリスク分散による供給の安定化も図っている。

 ――今下期の展望についてお聞かせください。

 井上 ジャー容器の「ヴァンシリーズ」と「アステルシリーズ」の提案を強化する。

 インナーのみに形状がデザインされた「ヴァン」は、広範囲に印刷できる特長を持つ。

 蓋に柔らかな曲線を有する「アステル」とともに、多様なジャー容器を開発してきた我々の集大成となる製品といえる。

 今後は主力のジャー容器に加え、各種容器を多面的に揃え、お客様の要望に幅広く応えていければと考えている。

 特に、メール便対応の薄型容器の開発など、インジェクションブローの企画開発に取り組むほか、加飾技術を進化させる。化粧品をECサイトで購入する消費者が多い昨今、我々の技術力を活かし、商品が届いた際の視覚的な満足感にも寄与したい。

 また、容器製造のほか、消費者とダイレクトにつながる事業の展開も予定している。認知度の向上や人材の確保などへの活用で、企業として次なるステージへ邁進したい。
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