ナリス化粧品、研究開発力の向上に美容研究課の存在

週刊粧業 2020年4月13日号 6ページ

ナリス化粧品、研究開発力の向上に美容研究課の存在
 今年で創業88年を迎えたナリス化粧品の感性研究の起源は、半世紀以上前の1960年代まで遡る。

 研究者でもあった創業者の村岡満義氏の妻・村岡愛氏が、夫の構築した美容理論を実際に使用する一般女性にわかりやすく伝えたいとの想いから、開発製品の使用感や色などを確かめる部門として組織化し「美容研究課」を立ち上げた。

 以降、感触や機能を評価する専門の部門として、全ての開発製品に触れて評価分析しており、そこでの結果を発売するかどうかの最終的な判断基準にしているという。経営企画室・広報担当部長の横谷泰美氏に話を聞いた。

 ――貴社にとって「美容研究課」はどのような存在ですか。

 横谷 美容研究課では化粧品の使用感やテクスチャーやにおい、肌なじみなどの評価分析を専門に、モニターによる実使用テストも実施している。

 実使用テストの評価結果は、発売するかどうか最終判断する検討会でも最重視される。そういった意味では、商品化に向けて最後の砦のような存在である。

 結果次第で、開発・発売スケジュールを変更することも厭わない。私自身、製品開発の担当時代は実使用テストの結果報告が最もドキドキする瞬間だったことを今でも思い出す。

 時には他部署と揉めることもあるが、半世紀以上にわたってこの方針を貫いてきたからこそ、今の当社があると言い切れる。

 ――どのような組織体系なのですか。

 横谷 美容研究課は研究開発部の中に配置され、現在、正社員と契約・派遣社員を合わせて10名以上で構成されている。

 過去にはマーケティング部内に配置した時期もあったが、研究者は開発段階から美容研究課に感触を確認してもらいながら開発を進めることが多く、研究との連携強化を目的に研究開発部内に配置している。

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