池田物産、価格高騰へリスクを背負ってでも前倒しで原料在庫を確保

週刊粧業 2022年4月11日号 22ページ

池田物産、価格高騰へリスクを背負ってでも前倒しで原料在庫を確保
 老舗商社の池田物産は、海外原料メーカーの日本総代理店として、法人は違えど日本において同じ営業チームという立場でサプライヤーと緊密に連携し、値上げに関する情報を得た際には原料を前倒しで輸入するなどの対応を行っている。

 池田隆彦社長に話を伺った。

 ――価格高騰への対応策をお聞かせください。

 池田 原料メーカーとお客様の間に立つ我々がバッファーとなって在庫を持つことで、お客様が値上げの受入体制が整うまでの間、なだらかに時期を調整できる。

 在庫を持つことは我々にとって当然リスクになるが、それを背負ってでもお客様に迷惑をかけないようにするのが当社の役割だ。

 従来は港湾地区の営業倉庫のみ使用していたが、今年から内陸部にも新しい営業倉庫を借り、原料在庫を確保している。海上輸送会社との連携も緊密に行い、コンテナスペースの確保など安定供給に努めている。

 ――今後はどのような施策を進めていきますか。

 池田 我々は原料を製造するメーカーではないが、価格高騰への対応として商社なりに今後もでき得ることは可能な限り行っていく。リモートワークの継続はその一環で、人の移動をなくすことでコストを抑制できる。

 コストダウンと品質管理はトレードオフの関係に思われがちだが、いくらコストが高くなっても品質管理は絶対に手を抜かない。当社のR&Dセンターでは、QC(品質管理)・QA(品質保証)を自社以外にも必要に応じて第三者機関にロットサンプルを提出し、品質確認を行っている。ここが疎かになってしまうと商売は長続きしない。

 正直さは品質面だけにとどまらない。他社が持つ原料の方がお客様の望まれる製品開発につながるのであれば、我々の商売にならなくてもその情報を提供する。それが結果的に信頼につながる。原料の依頼だけにとどまらないお付き合いができれば我々としては本望だ。
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