木村産業、アクリレーツコポリマーに大きな期待

週刊粧業 2022年6月6日号 9ページ

カンタンに言うと

  • 原料の95%を植物由来にリニューアル
木村産業、アクリレーツコポリマーに大きな期待
 木村産業(木村貞勝社長)は、市場性や安全性、安定性、経済性に配慮した化粧品原料を技術情報とともに提供し、市場ニーズに沿った原料の開発に努めている。

 同社での原材料高騰の影響は大きく、価格高騰に加え、供給量の減少による煽りも大きく、先を見据えた手配を行うことで現状を乗り切っている。

 アルケマのグループ会社である、コアテックス社がリニューアルするアクリレーツコポリマーのレオスチルEシリーズに大きな期待を寄せているという。これまでもコールドプロセスでの乳化が可能で、通常に比べ95%のエネルギー削減、75%の時間削減につながるという点で人気であった。

 今回のリニューアルでは、従来からの懸念だった石油由来原料である点に着手し、Eシリーズのラインナップの1つEライトについて95%を植物由来とすることに成功した。これまでは原料について大きくアピールすることは難しかったが、このリニューアルによって今までとは視点の違った訴求が可能となった。

 また、本原料はin-cosmetics Global2022におけるカラー化粧品部門「Make-Up Bar」にて、ブロンズ賞を受賞するなど、国際的評価も高い。

 乳化が可能なことに加え、植物性由来の増粘剤としての一面もあり、多様な用途で使用可能になっている。木村産業では6月からサンプルワークが開始されるという。

 また、自社が取り扱うプロビタル社は、COP10で締結された名古屋議定書に準拠した化粧品原料を発売した世界初の企業だ。メキシコの大学との提携プロジェクトで、現地労働者が育てた植物からエキスを抽出、製品に配合しその収益の一部を還元する。同議定書に準拠した世界初の原料、AGASCALMは、植物エキスに含まれるフラボノイドが、ストレスによNF-KBの遊離によって発生する皮膚の炎症を軽減する。ストレスに向き合う現代人の持続可能性までも考慮しており、今後もプロジェクトの発展に励む。
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