日光ケミカルズ、UV-Bによる細胞ダメージを緩和

　日光ケミカルズは、優れた防腐効果をもつ植物エキスミックス「NIKKOGUARD NATURAL（ニコガードナチュラル）」の販売を開始した。100%自然由来成分で構成されている。

　抗炎症効果を有する植物エキス（スイカズラ花エキスとダイウイキョウ果実エキス）を含み、UV-B照射による細胞ダメージを緩和する効果をもつ。UV-Bの暴露による表皮細胞ダメージについて、細胞タンパク量を指標として評価したところ、NIKKOGUARD NATURALがUV-Bによる細胞ダメージを有意に緩和することが確認された（図）。

　また、同品は防腐効果を調査した多くの植物由来成分から選抜された4種のエキス（スイカズラ花エキス、ダイウイキョウ果実エキス、ウスニアバルバタエキス、メボウキ花／葉エキス）を最適比率でブレンドしており、幅広い抗菌スペクトルを有する。細菌類だけでなく真菌類の増殖も抑制できるという。

　これまで自然由来で防腐効果のある成分（植物エキスなど）は、防腐力自体が十分でないことや、製品ロットによっては効果にブレが生じること、製剤のpHや剤型によっては十分な効果が発揮されないなどの欠点が見受けられた。

　一方で同品は、各種微生物に対するMIC（最小発育阻止濃度）を規格項目として設定しているため、製品ロットによる防腐効果のブレなどの心配がない。

　なお、1,3-BGを3%配合した簡易な化粧水処方（pH7）に、0.5%NIKKOGUARD NATURALまたは0.5%フェノキシエタノールを配合し、細菌（大腸菌、黄色ブドウ球菌、緑膿菌）、真菌（酵母、黒コウジカビ）に対する防腐効果を確認した。

　その結果、NIKKOGUARD NATURALは同量のフェノキシエタノールと比べて優れた防腐力を示した（図）。フェノキシエタノールでは効きの悪かった酵母や黒コウジカビにも、良好な防腐効果を示している。

　さらに同品は、水溶性のためローションやクリームなどさまざまな処方系に配合しやすく、幅広いpH領域で高い防腐効果を発揮する。中性付近でも防腐効果が高い。

　乳液やクリームなどの乳化製剤に防腐剤を添加すると、水相側で作用するべき防腐剤が油相に分配され防腐力が低下することが知られている。そこで、一般的な乳化処方でのNIKKOGUARD NATURALの効果を評価した。

　その結果、0.5%の添加で十分な防腐効果を示した。1,3-BGを併用することで、より高い保存効力を示すことも確認されている。

　「シャンプー、クレンジングなど10種以上の処方系において、各剤型に適した配合率での試験を行っており、十分な防腐力を発揮することを確認しているため、スムーズに処方検討をしていただけるだろう」（同社）

　また、一般的な乳化処方にクエン酸と水酸化カリウムを加え、pHを3.5、5.3、6.7、8.4に調整し、各pHでのNIKKOGUARD NATURALの効果を確認したという。その結果、いずれのpHにおいても十分な防腐効力を示した。

　さらに、製品原体で4項目（ヒトパッチ、眼刺激性、ヒト感作性、遺伝毒性）の試験を実施し、安全性も確認済みとなっている。RSPO認証やCOSMOS認証の取得も進めているという。

　化粧品市場では、防腐剤フリーやナチュラルコンセプトが一般化し、近年ではヴィーガンやクリーンビューティが注目され、これらの商品開発に取り組む企業からは自然由来で防腐効果の高い原料を求める声が多く寄せられていたことも開発のきっかけとなったという。

　「防腐効果を持つ植物由来成分は数多く展開されているが、効果そのものや製品ロットによる効果のブレが課題としてあり、実際にお客様からの声としても寄せられていた。当社では、こうした市場のニーズを満たす製品を開発するために、自然素材からの高い抽出･分離･精製技術を有するINKOS社と、当社のもつ処方化や評価技術をコラボレートして同品を開発し、昨年5月の上市に至った」（同社）

　同社では定期的に顧客向けのメルマガ配信を行っており、5月中旬に配信したメールマガジンでは同品の紹介を行ったが、配信後すぐに70件近くのサンプル依頼があったという。

　「同品は防腐剤フリーやナチュラル系をコンセプトにした処方に最適であり、各種微生物に対するMICを規格化して防腐効果のロットブレを軽減するなど、従来品の課題点も解決していることから、昨年5月のサイトジャパンでも多くの引き合いをいただいた。ぜひ一度ご検討いただきたい」（同社）