一丸ファルコス、コロナ後も見据えた原料提案を強化

C&T 2022年6月15日号 48ページ

一丸ファルコス、コロナ後も見据えた原料提案を強化
 一丸ファルコスは、週1回のペースで開催している自社Webセミナーを通じて、マスク生活などwithコロナのニーズに対応する新規原料や新データの紹介とともに、「afterコロナ」に向けた機能性原料の提案も強化していく。

 今年2月には「マスクを外した後の生活について」のアンケート調査(15~69歳男女、N=646)を実施した。マスクを外した時、自身が顔まわりに対して気になるところについて、10~30代女性は各世代とも「毛穴」が最も多かった。

 一方、40代~60代女性は「頬のたるみ」と「ほうれい線(やマリオネットライン)」が上位にランクインした。

 マスクなしの生活で最も力を入れたい美容ポイントについて、40代以上は全世代が「ほうれい線やシワ」が1位となった。同社は、afterコロナで中高年層の肌悩みが深まる「頬のたるみ」や「ほうれい線やシワ」に着目し、対応原料の提案を進めている。その一つが、ボリュームアップエキスとして紹介しているアルニカ花エキス「アデプルン」である。

 アデプルンは、抗炎症効果や血液循環作用をもつメディカルハーブとして古来より使用されているキク科・アルニカ花から抽出したエキスで、外原規、IECIC2021に適合し、COSMOS APPROVEDを取得している。

 肌のツヤや弾力を肌の下層にて支えているのが脂肪細胞だが、脂肪細胞は加齢によって減少して萎み、フェイスラインの崩れにつながる。

 美容医療では脂肪を直接注入してボリュームアップさせ、ふっくらとしたフェイスラインをつくる方法があるが、アデプルンは塗るだけで脂肪細胞をボリュームアップさせ、ふっくらとした肌や唇に導く効果が期待できる。

 また、脂肪細胞のボリュームアップにより、顔や唇のシワや凹凸が改善され、陰影が少なくなることで肌の明るさや透明感もアップし、美白効果も認められている。

 それらアデプルンの研究成果は今年4月、化粧品コンサルティング会社のBSB社(本社=ドイツ)による革新的な化粧品・化粧品原料を選定するアワード「BSB Innovation Award 2022」にて、化粧品有効性原料カテゴリーの「Plumping, moisturization and barrier(ふっくら感、保湿、バリア)」部門で第2位を受賞した。

 さらに、このほど新たにアデプルンに脂肪細胞が真皮の線維芽細胞に働きかけてヒアルロン酸を産生促進する効果が認められ、「ヒアルロン酸産生促進作用」(表)の新データの紹介も進めている。

 また、アンケートでは男性のマスクなし生活に関する調査も行った。男性は、マスクなし生活になった時の気になる部位として「ヒゲ」が上位に上がり、「ヒゲ剃りによる肌荒れ」のケアや「ヒゲを整える」ことに力を入れていきたいと考えていることがわかった。

 また、50~60代の中高年世代の男性を中心に「口臭ケア」も上位となっている。男性のマスクなし生活のニーズに対し、同社は、「メンズ向け原料」として開発原料を部位・目的別にまとめて紹介している。コロナ禍では、除毛ニーズの高まりも影響し、ヒゲの抑毛作用が確認されている「フラボステロンSE」(大豆エキス)が好調だという。



 口臭予防など口腔ケアに対応する原料として、海藻由来エキス「ミルテクト」(医薬部外品表示名称:海藻エキス)を開発し、今春より販売を開始した。

 「ミルテクト」は、ミル(海松Codium fragile)など3種の海藻から抽出したエキスで、初期付着菌の歯面への吸着を阻害し、口臭やむし歯といった口腔トラブルの原因となるバイオフィルム(デンタルプラーク)の形成を抑制する(表)



 また、抗菌剤CPC(塩化セチルピリジニウム)など既存の口腔ケア有効成分(抗菌剤)との相乗効果も見出している(表)

 口腔ケア専用原料の開発は同社にとって初めてだが、既存の口腔ケア有効成分(抗菌剤)との相乗効果を示すデータと併せて、処方製剤の提案も行っている。

 直近の6月3~4日に開催された「第65回春季日本歯周病学会学術大会」にて、「ミルテクト」の研究発表および企業展示を行った。今後も研究発表・論文を通じて知見を広げ、口腔ケア研究を深掘りしていく。
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